技術に知識を奪われる問題について

日記・雑記・私的話題

近年注目されている「AI生成」にまつわる問題が肥大化しているという話が興味深い展開になってきたので観測を続けています。これは検索エンジンの認知と利用頻度の拡大の際にも観測した事案なのですが、「技術に知識と経験を吸い取られる」という事案になるのではないかと有識者が警鐘を鳴らす事態になりそうだということで再観測するに至っています。どういうことかというと、かつて「検索エンジンの結果を鵜呑みにすることで考えることを放棄する」という情報を観測していたのですが、それがAI技術によって再び「思考停止の加速化に繋がるのではないか」という話のようで、とりわけ「AIについての再考の呼びかけ」を行った方が良いのではないかという考察のようです。具体的な事案がまとまっているという訳ではないようなのですが、これらから出力されるデータを鵜呑みにしないよう喚起がされている様子。

AI学習機能に起因する出力データが既に一般市場に流布しはじめている昨今に於いて「出力物を信じるな」というのは横暴ではありますが、「AIデータと人的なデータとの比較が出来ない」というのはかなりリスクを伴う時代になってきたというのが昨今のAI関係者による提言のひとつに挙がっているといいます。AI技術の根底にある仕組みは「データベースから最適な回答を返答する」というもので、今までは検索エンジンの専売特許に近い仕組みだったと言われています。その根底にある技術的なものはかつてのそれと差異の少ないものだと言われていますが、その精度と速度は昨今めまぐるしく発展し、より最適解としてふさわしいものを選びつつあると言われています。そのAI技術を根底から否定する発言はいささか無粋かつ横暴とも言えるのですが、その背景には恣意的な思想や刷り込みがあるともいわれており、「AIによる思想の強請や洗脳的行為にも利用されるのではないか」というリテラシーに纏わる諸問題があると言われているようです。

スポンサーリンク

知的財産権にまつわる権利問題あたりから可視化されるようになった「情報についてのリテラシー問題」はインターネット技術の拡大と普及により急激に問題になってきました。そもそも知的財産権の認知があまり知れ渡っていなかったというのもあるようですが、インターネットに於ける情報拡散やデータ共有などの技術の登場と普及によって急激に認知度を高め、権利保持者から危険視されるようになったという経緯があります。かつては「技術的には可能であった」ものの「実用的ではない側面が大きい」という理由で大きく取り沙汰されることは少なかったのですが、回線速度が安定し速度が上がる過程に於いて急激に問題視されるようになりました。2000年頃にはMP3データによる音楽データの共有行為が問題視され「規制するべきではないか」という論争が巻き起こりましたが、過度にCDなどの物理音源に執着しすぎた結果「配信音楽にCDシェアを奪われる」という事態になり、音楽界隈に影を落とす結果となった経緯があります。

複製権を巡る諸問題に揺れたメディア

2000年頃、アナログメディアからデジタルメディアへの転換が急速に進む背景で「複製されたデータが市場に悪貨をもたらすのではないか」という懸念から「技術的に複製の困難なメディア」が台頭することになった。しかし、技術的な問題も多かったため、結果として「複製品以上に粗悪な正規品が流布する」という問題を残し消滅していったという事態となった。MDには「ATRAC」という高音質の専用技術が導入されたが、多様なフォーマットに対応した当時のiPodによってその立ち位置を追われる形になり、VHSから置き換わるはずであったDVDレコーダーは「コピーワンス」という技術の不具合によって「録画が保存出来ない機器」となり、テレビメディアのシェア低減を加速させる結果となってしまった。他にも「コピーコントロールCDが正規のCDプレイヤーで再生出来ない」など、技術的問題で頓挫するケースが相次いだ。

AI時代に先駆けて「AI技術を牽制する」という事態が進んでいる背景には「利用者のリテラシー欠損」というかつての懸念事項があり、二次・三次被害といった「知的問題」があるからだという意見が多く観測されています。かつて「Winny」という「ファイル共有ソフト」により「著作権の侵害が深刻化する」という話がありましたが、それの再来をイメージさせるという人も観測しています。結論からいえば「どんぐりの背比べ」であり「永遠に終わらないイタチごっこ」であり、この問題を未然に防ぐことはほぼ不可能であり「利用するに当たっての知識と耐性を付ける」以外に対策は無いだろうともいわれているようです。要は「情報利用に対する抗体を身につけて自己防衛してください」という旨の話なのですが、これはかつてから情報技術革新が発生するたびに指摘された問題であり、実は脈々と続く既知の問題だったりします。

有名な事例として「Winnyによる暴露ウイルス」という例があります。偽装されたファイルを起動させてしまうとコンピュータ上の全てのファイルが共有させられてしまうという症状を引き起こすウイルスで、膨大な個人情報を晒し上げられたという事件が起きたというのが有名な話として語り継がれています。これの正体は「不自然な起動ファイル」であり、ファイル名を書き換えられているとはいえ多くの場合は「拡張子まで偽装できない」程度のものだったのですが、パソコンの仕組みやファイルの性質まで知らないユーザーが誤って起動させてしまうという事案はかなりの件数が観測されたといわれています。その背景には急速なパソコンの普及があり、そのユーザー間の間でこれらの情報が共有されたというのが発端で、結果として「リテラシー無き利用事例の代表格」になったという話。ただ、その側面には「過度な規制技術の投入による利便性の低下」「著作権利用料を想定したメディアへの課税方針」など「リスキーを煽るような時代背景」もあり、「悪意であるが一石を投じた」と評するメディアもあるなど、玉石混交の事情があるようです。

ファイル共有ソフトがもたらした技術的可能性と喪失

Winnyなどのファイル共有ソフトは「P2P」と呼ばれる中央サーバーを介さないファイル交換の技術で構成されており、かつては何かしらの中継サーバーを介してでしか出来なかったファイルのやり取りをパソコンの「子機同士で行える」技術として注目されていた。ただ、そのファイル交換の多くが動画データなどの不法なやり取りに使われてしまっていたという実情が発覚したために、世間では「著作権を侵害する諸悪の根源」のような位置付けにされてしまった。また、通信用ポートを不正に開放するなどの想定外の利用を必要としたり、当時はまだ遅かった回線を大きく占有して通信したりというトラブルが観測され、倫理的な理由を経て強く規制されるに至った。当時の技術としては画期的だったが、利用者のリテラシーによって封鎖・凍結されてしまい、「インターネット悪用の代名詞」のようにいわれてしまった。

これから起きると予想されるこの系統の情報技術問題は今後もっと悪質化するといわれているようで、今後も注意深く緩速をしていこうと思っている次第です。ただ、技術革新の手は緩むことはないし、AI利用者はこれからも増加の一途を辿ることは既定路線であり、技術開発と確立のサイクルは確実に進み続けることは間違いないと思います。ここで問題になるのはエンドユーザーである私たちが「利用に際しての知識とリテラシーを維持出来るか」という利用者視点の問題であり、技術を悪用する層は必ず一定数存在するという話であり、それについて「適切な利用判断ができるかどうか」ということに尽きる話になってきます。検索エンジンの検索結果を鵜呑みにして想定外の事件になったという話はかつて実在した既知の問題であり、昨今はそれにソーシャルメディアなどの拡散要素も加味されて「より予測不能な事態になりかねない問題」になる可能性を秘めているという事でしょうか。

普及はしたものの「明確な利用ルールが策定されていない」のがインターネットという世界であり、物理的国境の存在しない情報だけの世界です。今後これらの技術と情報・権利などを巡って世界中で大きな問題になることが予想されるのは「情報によって世界が煽動される可能性が強まってきた」からであり、前世紀にラジオなどで世論煽動があった事を想起させるような出来事がインターネット経由で発生の兆候を見せているからだと推測されるからです。今必要になっているのは「自身の脳で思考する」ことであり、「情報を多面的に分析する思考力」や「状況を俯瞰視して最適解を選び出す選択力」であり、それには「AIの示した回答だけでは不足する事態」を補うだけの「未知への対応力」という人間特有の能力が必要だからです。そして、「学ぶ」ということは「情報の質と量で確証ある思考を行う」ために必要不可欠な要素でもあります。

知的なマッチョになれるか、脳のシワは多ければなお良し、興味関心の赴くままに知識を貪るが如し。AIに知識量で勝ることは不可能かもしれませんが、自身に降りかかる火の粉を払うくらいの「選択力」は「自分にしか選択出来ない」ので。願わくは「AIを疑う思考力」を養いたい次第です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました