ブロガーの愛したブログとは

日記・雑記・私的話題

ブログに愛を求めるブロガーは多いかもしれませんが、愛を持ってブログを綴るブロガーの方が実は少数派という話は最近になって聞いた話だったりします。今のブログはいわゆる「マネタイズブログ」が多くなってきており、言ってしまえば「社交辞令のシゴトブログ」と切り分けることも出来てしまうわけで、仕事に愛は必ずしも必要ではないという話。ある意味納得の境地であり、とても興味深く聞かせていただく機会となりました。愛があったからといってページビューが増えるわけではなく、ストイックにSEOやリライトなどを積み上げていった方がページビューは増やせるという話で、もはやブログは文芸趣味ではなく仕事のプレゼンの一ページであるといった方が良いのかもしれません。実利主義で語るのであれば、それは仕方の無い話。

そのブログ界隈が昨今寂しくなってきたという話を耳にしました、いわゆる「プロブロガー」の隆盛が一段落したという話。これによって証明されたのは「多くの人は頭を悩ませイヤイヤながらもマネタイズのためにブログを綴ってきた」という事実であり、ブログを綴ってきた多くの人が「別にブログに愛着なんてなかった」という話。昨今のコンテンツ界隈がそういった情報価値の追求に終始するようになってより明確になってきたブログ界隈の熱量の減衰は、もともと好きでも何でも無かった大多数層によって構築された蜃気楼のような存在だったのかもしれません。これだけライティングの仕事が増えてきても熱量の低いブログが乱立する理由は「そもそも愛なんて無かった」という文学界隈では信じられないような理由がそこにあったからかもしれません、もともと熱量がなかったというのは皮肉な話ですが。

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何故ブログが注目されたのかというのは、やはり「ブログ飯」の存在が大きかったのではないかと思っています。いわゆる「ブログで暮らすという仕事のスタンスがブログで出来るのではないか」という仮説から生まれた「情報メディアとしてのブログ更新」という「仕事」であり、この時点で実は「愛なんて感情は排斥された」といっても過言ではないかもしれません。SEOとPVとマネタイズに押しつぶされたブログの量産にGoogleさえも嫌気が差したという一連のアルゴリズム改変の背景が「ブログという名のスパムサイトの増殖」であったというのはなかなかパンチの効いた皮肉であり、多くの予算と時間を投入して作られたであろうサイト群はそのほとんどがサテライトサイトや準スパムサイトとしてしか機能していなかったという話は…にわかに信じがたい話ですが、そこに「愛はほとんど無かった」とブツ切りにするしかなかったようです。

資本主義経済社会に生きる私たちにとってもっとも興味関心があるのがお金にまつわる話であり、そのお金にまつわる話を連鎖的にかいつまんで情報サイト化し、その僅かな情報価値でもってマネタイズを図るというサイト作りがいつ頃から定着したかは記憶にありませんが、十数年前のアフィリエイト界隈で起きた事象をなぞるかのようにマネタイズブログが量産されていったようです。ブログそのもののニーズがロングテールの尻尾部分へと移行していき、存在そのものがニッチコンテンツになっていったブログは…昨今急速に廃れていったようにも思います。アルファブロガーと呼ばれたブログ界隈の牽引役のかなりの数が引退宣言をしているという理由は…そもそも熱量のない世界への忌避と敬遠感だったのかもしれません。注目を浴びたければSNSへと移行する…と云われたかどうかはさておき、そういう噂の流れをなぞるかのように昨今の情報発信はSNSに流れていきました。

本当に熱量の高いブログなんてそもそも無かったかのように昨今はSNSに熱量が注がれ、時には揮発性の高い炎上案件が注ぎ込まれ…文字通り加熱しているSNSの方が「注目性という意味では熱い」のかもしれません。140文字で足りる程度の情報発信が投稿者の本音であるのならそれは効率化であり、それが理想の発信源として機能するのかもしれません。ただ、各サイトの規約のさじ加減に振り回されるSNSの発言はやはり揮発性が高く、すぐに燃え尽きて無くなってしまうものなのかもしれません。木を植えるようなブログ綴りは時代遅れと揶揄され、いまとなっては忌避材料になってしまったようですが、そもそもブログを何だと思っていたのかを考え直し向き合う機会にしてくれた今回の一連の件は…これからのブログの在り方を考える良いきっかけになったと思います。揮発しないガソリンで走るクルマは無い、といった方が例えとしては良いのかもしれません。

これから特に言葉選びも無く無機質に綴られたブログの中から「真に熱量の高いブログ」を、その中から更に「情報ニーズにマッチングした理想のブログ」を探し出すのは骨折りどころか骨を砕いて粉にしても出会えない可能性の方が高い事態になってきました。「愛が無くてもブログが作れる」というのはお手軽すぎて逆転現象になってしまったという話ですが、これから「商用ブログの衰退」は加速するものと思われます。これからはより密度の濃い有用性高きブログのみが「商用ブログのポジションを獲得する」という図式になるのでしょうが、それがそもそもブログの望むべき姿なのかは知る由も無く巡り巡ってGoogleに忌避されたブログ群が「Googleの養分になる」時代も来るのでしょうが、そもそも「目的無きブログに注ぐエネルギーはあまりにも無駄が多すぎた」というのはなかなか的を射ており、「マネタイズブログ」という胡散臭くなってきた宝の地図は…そろそろその役目を終えてしまうのかもしれません。そこから「真に選別されたブログ」がこれかのブログ界隈を牽引していくのでしょうが、いったいどれだけのブログが「純然たるブログ」として生き残っていくのかは…未知数。

きっと多くは無い数が淘汰される未来は「無駄な労力」としてこれから愚痴のタネになりそうな話ですが、おおよそそれらは「愛のない結婚に似ている」という話であり、情報サイトたちの質の低下という問題を経て「愛のないブログの量産」で帰結するという話になり…無駄な労力とサーバー負荷だけを増やして爆散するのではないかという話。愛無きブログの末路なんてものはそもそも約束された結末しかなく、それらによって情報弱者の量産もまた…これからの課題になりそうです。

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