職場の多くで推進されている「禁煙施策」ですが、過去にいくつかの「禁煙による職場トラブル」についての対策業務に従事したことがあります。最初は「分煙施策」でもって対策の一環としたこの禁煙施策ですが、いつの間にやら「全面禁煙」にシフトが進み…それによって人的トラブルが発生した経緯を複数扱う機会があったのですが、それがなかなかアレな話だっという一件。そこから持ち込まれた対策がまたお粗末な話であったがために、本来なら回避できたであろう問題が発生を繰り返してしまったという事案もあり…施策の難しさを痛感すると共に、単純規制の効果への疑問を抱くきっかけになりました。
たばこ以外にもアルコールやギャンブル、それに付随する依存症などの問題は多岐にわたり、どれも一筋縄には解決が望めないものばかり。それに対しての対処法というものは本当に長い時間を以て理解を深め、時と次第によっては共生することも視野に入れた思慮深い対応が必要なのでは無いか…という提言を自分の遭遇した事案の際にはしたのですが、まったくもって聞き入れられなかったという経緯がおおよそすべてを占めていました。結局は単純規制の強化が適用され、おおよそ解決不能な状況に陥ったという結末を強いられたのですが…昨今の「対策に対する認識」について知るきっかけにはなりました。
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よく規制への疑問という問題に対しては「禁酒法」というものが例えられるのですが、おおよそそれをなぞるような経緯と結果だったという事を私的見解として提示したい次第です。単純規制ほど無力なものはなかったのではないか、それが私の回答だったのですが…すべての事案に対してこの提言は一度たりとも受け入れられることは無かったです。私の関わった喫煙事情に関してで言えば「禁煙できない人間は問題のある人間」という禁煙勢の認識によって人的トラブルは拡大し、過去にあった最悪の事例で挙げるのであれば「仕事が出来る喫煙者が総辞職」というなかなかロックな事案もあったとだけ記載しておきます。規制とは自発性に訴えるバランス論であると考えているのですが、世の中の多くが強制による圧迫論を展開するケースが今でも多い…というのは以後の規制問題への対策に対しての新しい認識として持つことが出来ましたが、過去にその認識が対策側に伝わった事例は一度もなかった次第。ここまで来るともはや規制とは私怨のレベルであり、根本的な問題解決の姿勢は皆無と言わざるを得ません。
敢えて禁酒法で例える対策を挙げるとすれば、「作らない」ではなく「存在そのものを無くせ」になるのかなって思ったりします。知ってしまったものはおおよそ死ぬまで忘れられないもので、それが精神的快楽に繋がるものであれば…おおよそ墓穴に辿り着くまで棄てられないしがらみになるのではないかと思う次第です。なので、単純規制を土台にそれらの嗜好品等の規制に乗り出すのであれば「生産しない」とか「流布させない」などの極めて強力な施策が必要になってくるものと思う次第ですが…たばことアルコールに関して言えばそういう施策は一切なかったように思います。それが対策としてまかり通るのであれば…随分とガバガバな施策ではないかと思うのですが。
議論らしい議論をせず、規制の取り決めだけを通すのであれば…こういった対策機関や人員は必要ないはずですが、実際には対策委員などの機関はおおよそ設定されて、とりわけ決定意思のあると思えない会議を経て良くわからない規制案が法整備の舞台へと流れていく…という絵に描いたようなシナリオを経て色々な規制法案が作られていったのではないでしょうか? ごく一部の真面目に取り組んだ人の相応にマトモであるとおぼしき意見は「非現実的」の烙印を押され撤去され、罰則規定くらいの大雑把な決まりを法的拘束力あるものにしていくという施策ばかりがまかり通り、結果として根本的解決のない頭でっかちな決まり事だけが増えていったように思いますし、実際に対策業務をやっていたときに「決まり事の無力さ」みたいなものは日々痛感していました。
それでも「エロ本を駆逐すれば性犯罪が減る」とか「射幸性規制を敷けばギャンブル依存抑止になる」などのおおよそ根拠の乏しい見解は今でも信仰され、現場の最前線では何の役にも立たない決まり事が増えて言っている現実に困惑しているわけで…世の中の「考えることを止めた人間の多さ」に困惑する日々はまだ当分終わりそうにありません。
たばこの煙と共に職場から消えてしまった人たちのその後は知ることが叶いませんでしたが、多くの課題を突きつける材料としてその後相応に役立ったと信じたい次第です。まあ結局のところ禁煙規制は撤回されなかったし、それに対しての決定者たちの弁明を聞くこともなかったので、一番伝わって欲しい人には間違い無く伝わってないと思うのですが…おそらくは今後も伝わらないであろうと思っている次第です。「ヤニの切れ目が縁の切れ目になる」なんて馬鹿げてると思っていましたが、現実は結構辛酸なものだと思いました。この一連の件から得た教訓は「単純規制は地雷」という話と「理解は法規制よりも強い」という事だったのですが、おそらくは一番伝わって欲しい相手に絶対に伝わらない話になってしまうだろうなという諦めに至った事こそが真の収穫であり、二度と規制対策には関わりたくないという決意が私の収穫だったことでしょうか。人間の方向性が決まり事ひとつで変わることは早々無いという話、もっと伝わって欲しいです。


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