広告の是非とマネタイズの行方

日記・雑記・私的話題

アフィリエイトはオワコンと言われてかれこれ数年が経過しましたが、一部の専業運営者などを中心にまだまだ現役でイケる感があるようで…その辺の情報の錯誤はまだまだ続いているようです。オワコンかどうかはさておきとして、結局のところ「適材適所で機能しているか」が重要であり、適性のある分野で適切な広告展開がある場合は相応に収益化が機能しているという話のようです。この辺はロングテールの法則のように「勝ち組/負け組」の仕分けがキッチリしている都合上「負け組の発言がピックアップされがち」になるのは仕方なく、そもそもこのジャンルで適性を確保するのは結構ハードルの高い分野である…という話に帰結する部分であり、要は「向いてなかった」で片付けられてしまうという残念な結果論の話。アタマの部分たる勝ち組が「少数派だけどガッチリ稼いでる」チームで、尻尾の部分たる負け組が「大多数の稼げない」チームという話。

こういった部分に色々感じてしまうのは日本の雇用制度とか収入形態とかが結構影響を及ぼしているのではないかという話であり、成果主義になじめない日本の収入および雇用形態に起因する部分なのではないかと思う次第です。かくいう自身もアフィリエイトに参加して約15年目になるのですが、これだけ長期でやってきて生涯収入はおおよそ5桁に届かないくらいしか達成出来ていません。この世界で相応に稼ぎ生き抜けるというのは相応に複合的なスキルが機能しているという賜物であり、適材適所に食い込んで生きていけるという生存戦略の合致であり、大多数の人は「ウェブ世界での仕事の振る舞い方を知ることもなく脱落していった」結果ではないかと思っています。会社雇用と成果主義のどちらが有用性が高いかというのは人それぞれであり、適性もまた然りという話で…まあアフィリエイト界隈に於いて言えるのは「誰でも簡単にできるお小遣い稼ぎ」というキャッチーなフレーズが招いてしまった功罪ではないかと思う次第です。

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広告収入は生活収入に足るモノか? という議論は結構長い間されてきたモノですが、広告単価はゆっくりと右下がりに転じており、多様化してきた広告素材はあまり歓迎されているというわけでもなく…この世界で相応に結果をたたき出せるのは相応にこの世界を知っている人間に限定されているのではないかという話であり、早い話が「出来る人と出来ない人の差が激しい」世界であるという話。この「素人にはお勧め出来ない世界」を一般認知に至らしめたのはやはり「簡単にできるお小遣い稼ぎ」というキャッチーなフレーズであり、少しでも副収入を得たいという昨今の地獄絵図のような景気事情があるのではないかと推測しています。今後も広告戦略を絡めたサイトそのものはGoogleの戦略の影響を受けつつも増加を続け、時にウンザリするような広告バナーや動画を強いられるという仕組みが増強されていくのではないかという感じになっていくものと思われます。

そもそも日本のウェブ界隈の認識が「ネットではタダで得られるモノが沢山ある」という誤認に満ちていることが問題の発端であることは明白であると思う次第ですが、今でもネットコンテンツの多くが「タダで得られるモノ」として認識されているあたりに「日本のネットビジネスの混迷」のフラグが垣間見える次第です。インターネット世界をどこでユートピアと勘違いしたのかは知る由も無いですが、はっきり言えるのはその思考の定着によって「インターネットビジネスの停滞を招いた」のは間違いなく、「ネット取引に於いてカネを払う事は馬鹿馬鹿しい」という認識をコンテンツサービス界隈に対して抱くに至った遠因になったことは現在に至るネットビジネスに至る混乱の元凶ともなっているようにも見えます。

広告配信は昨今の無料ビジネスの報酬体系という形で認識されるようになったのは比較的最近の話で、それまでは「ウェブで疎まれる存在の上位」だったのが広告コンテンツ。広告配信でもって稼ぎを得ようという人々の多くが「広告の存在が邪魔で仕方ない」と思っていた層だという話はなかなか皮肉が効いていますが、そもそも「押しつけがましい」と言われる広告のシステムが問題なのかというとそういうわけでもなく、彼らの多くは自分なりのアンテナを持っており、アンテナ上にマッチングした情報があれば…自発的に検索等でもって情報に辿り着くという話であり、広告配信の仕組みは少なくとも日本のネットユーザーのニーズにはマッチングしていないのではないかという話。今までの広告配信方式がバナークリックに大きく依存していた部分だったことを考えれば…もっとスマートな方式でもって配信の仕組みを構築出来れば、と思うフシは結構多かったように思います。

広告単価はゆっくり確実に右下がりに転じており、一部の「広告運用の確立が出来ているECサイト」以外の広告は…やがて淘汰されてしまうかもしれません。ここにどれだけのエネルギーを投入し、どのくらいのリターンが得られるか…その思考そのものが無駄なものになってしまう可能性は結構高いと思われます。配信元たる広告主からすれば「配信コストよりも売り上げ」が至上たる命題なので、そこに至ることの出来ない広告配信はやがて取り下げられてしまうものと思われます。オワコンかどうかは広告主が決めることであり、相応に投資が成されている現状を鑑みるとまだまだオワコンと決めつけるのは時期尚早であり、しかし現状はその恩恵は一部の優良配信者の寡占物であるという仮説を立てると何となくしっくりするように思います。

多くの広告配信サービスでもって配信側と広告主が相互優位になるには時間が掛かるものと思われますが、そもそも消費出来る元本が末端の閲覧者に不足している昨今なので…そもそもこの状況が好転することは考えにくいのかもしれません。広告出稿の是非の前に根本的な景気回復の是非の方が早計のようであり、少なすぎるパイの奪い合いに労を割くより前に…何かこう、別の事をした方が手っ取り早く他の利を得られるのかもしれません。

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