声優のアスリート化が止まらない件

時事・事象・社会現象

昨今の華やかなアニメ界隈の裏で、スタッフの重労働化が止まらないという話は耳タコレベルの話になってきましたが、その中でも極度に重圧を受けているのがメインキャスト声優勢というのがなかなか耳が痛い話になってきているようです。作品の華の部分を担っているとはいえ、昨今は「何でもこなしてナンボ」状態になりつつあるという実情があるようで、歌やダンスに加えてバンドセッションなどの多様なニーズに応える必要性を抱えるというハードルの高いポジションになりつつ有るという話。作品の表現や意外性のアプローチなどのニーズに応えるために作られたギミックとはいえ、昨今それに対応出来る声優さんの人口は非常に間口の狭いものになってきたという話がなかなかモヤモヤする話になってきています。作品とのコラボなどのコンテンツの都合もあるとかで、今後は更なる多様なスキルを求められる世界になるのかと思うと、もはや声優という括りで括って良いのかすらも疑問符が湧いてきます。

元々は「役者のいち表現部門」という位置付けで言い表されてきた「声優」という役職ですが、昨今の注目度と認知度の向上に伴いその志願者数も増えてきたこの部門。その人口増とも言える昨今の状況が「声優のよりどりみどり化」を推し進めてきたとも言える状況を作っていると聞きます。その起源はアニメの表現手法のひとつの解釈であったりライブイベントであったりと色々なきっかけがあったといいますが、ここまでエンターテイメントの拡大解釈があるのかというある種の驚きと恐怖を感じたりもします。今となってはそれが当たり前になりつつあり、声の演技技術に加えてアクロバティックな表現スキル、ひいては映像作品や動画サイトでの生存戦略に至るまで…彼らの注目される部分は次第に異常とも呼べる拡大を続けていると言われています。

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声優のアイドル化についてはずっと過去から話題性のあるコンテンツのひとつとして扱われてきたものなのですが、昨今それを拡大解釈したとも取れる映像コンテンツが増えてきており、「作品とのシンクロ」をウリにした作品が増えてきました。2000年代後半からそういった「リアルとフィクションのシンクロ作品」とも取れる展開作品が増えてきており話題になりましたが、それが2010年代から次第に増加と高難易度化を遂げており、作品の表現クオリティを押し上げる反面で短命化をさせるという事態が発生するに至っているという話が囁かれるようになりました。作品に一定期間でピリオドを打てる作品はまだしも、長寿化が進む作品事情を抱えているシリーズなどでは色々と問題になっているという話も上がっているとか。

ここ数年でその「シンクロ・コンテンツ」としてもっとも話題に上がったのは、やはり「ラブライブ!」シリーズではないかと思われる次第です。フィクション側のキャラクターと声優の「シンクロライブ映像」は当時衝撃的な影響を与え、以後のアニメ作品でも多くの「シンクロ・コンテンツ」を輩出するきっかけになったと言われています。勿論、それ以前の過去にそういった作品群がなかったのかといえばそういうわけでもなかったのですが、この作品シリーズが与えてきたもののなかでももっともインパクトの強い映像コンテンツがこのライブコンテンツであり、作品内のユニット「μ’s」がリアル歌番組に登場した時の衝撃はやはり忘れがたいインパクトになったと思う次第です。また、そもそもこの手の「シンクロ・コンテンツありきの作品」が企画・制作されるようになったのもこの頃からであり、昨今はあの手この手で声優さんがアニメ・ゲーム作品の「シンクロ」を行う機会が増えるようになりました。

ただ、ここから「シンクロ・コンテンツの多様化・多彩化は止まらない」という事態に陥り、時にはレギュラーを務めた声優さんが諸般の事情から交代を余儀なくされるという事態も発生してきました。怪我や持病の悪化など多岐な理由がありますが、身体の負担も然りというハードな演目が増えるようになり、話題性の反面でファンにも困惑の一因を落とすきっかけになっているとも言われています。声のイメージで選ばれた声優がパフォーマンスに追いつけなかったり、不慮の事故などで降板の憂き目に遭うなど…そもそも作品表現による拡大解釈的負担はどこまで増えるのかは、受け止めるファンにはありがたい反面で困惑の要因にもなりつつあります。やはり「推しのキャラクターの声優が変わってしまう」というのは受け入れにくい側面ではないかと思う次第です。

歌やダンス・ライブパフォーマンスなどの華やかな側面の裏で繰り広げられる激務とも言える練習もまた、声優陣への大きな負担になりつつあるといいます。昨今のアニメ・ゲーム作品はリアルイベントやコラボイベントなどとのタイアップが予め設定されていたりするケースが増えてきており、それに沿ったリアルコンテンツをセッティングするという事案が普通に設定されるようになり、歌やダンスやバンドセッション、果ては地域振興に至るまでの多くのコンテンツを担うことになったそうですが、彼らの演技にまつわる付随コンテンツはどこまで増えていくのか…心配になる疑問符はつきません。作品の大成は勿論ファンの望むところですが、声優さん他スタッフの身の安全やら何やらといった部分も大切のされているのかは…少し心配になってしまいます。

昨今の作品ギミックは想像に及ばないような驚き満載の仕掛けが多く、ファンとしては非常に期待をしてしまう反面で、これ以上作品に色々なものを求めて良いのかという不安が出てしまいます。私たちファンや制作陣は、いつからこんなにも期待過剰になってしまったのか? なんてことを考えてしまいますが…これからは作品の視聴と共に、推しの作品やスタッフにどんなアクションでもって応えれば良いのかが気になってしまいます。

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