表現は難しいという認識を持って

日記・雑記・私的話題

ここ数年、仕事を含むライティング業務で「意思疎通がうまくいかない」ケースが増えてきて困惑する機会が増えました。校正業務などでかなり気を遣って文章を構成しているはずなのですが、その文脈が「古くさい・読みにくい・わかりにくい」という不具合に繋がっているという話で、昨今どうすれば読みやすく親しみやすい文章が出来るのかと頭をひねる事が増えました。文章離れに加え日本語離れが著しいと言われるライティング界隈のようですが、その一角を垣間見てしまったように思いました。この事態はそもそも個人の努力で解決出来る問題なのかどうかはさておきとして、読みやすい文章は何も「正規表現に準じる必要はない」ようですが、果たしてそれが正確に伝わる文章を構成しているのかどうかは半信半疑です。いろいろと複雑な気持ち。

日本語の表現は玉虫色と言われているようですが、そもそも曖昧表現が多すぎて以心伝心を求められすぎているという話らしいです。対話ではある程度ニュアンス表現で伝わるケースもありますが、テキストだと次第にその伝達性が落ちてきて齟齬をもたらしてしまうという話。昨今は特にテキストでの意思表示機会が劇的に増えた都合上そこに絵文字やアイコン表現などが加えられたという話らしいのですが、堅苦しい校正業務をバリバリに経た自身としては「アイコン嫌悪症候群」を発症してしまうようで、どうしても正規表現でもっての模索をしてしまいがちです。「フランクかつファジーな表現をテキストで」というのが結構難しく難儀しておりますが、SNS界隈でも稀に「アイコン化け」するから気をつけろという話が舞い込んできて、より一層「アイコン嫌悪症候群」が発症しやすくなってしまっているようです。どうしたものか。

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メールでの意思疎通からメッセンジャーでの意思疎通へと切り替わる過程で「文章・文脈の簡略化」が進んできたように感じる昨今。LINEの会話がスタンプだらけでなかなか意思疎通が見いだしにくいなんて事態は私個人の問題なのでしょうが、簡略化しすぎた文脈から汲み取れる情報量が劇的に下がってきているのは否めず、意思疎通に齟齬をもたらす機会が増えてきてしまっています。5W1Hとまでは行かないにしろ「明確な意思表示のために最低限必要な単語数」だけは確保して欲しいと思うことは昨今増える傾向にあり、メッセンジャー経由でやり取りをする業務でも定期発生する問題になりつつあります。ただでさえ表現の難しい日本語の正規表現、これ以上簡略化による意思疎通齟齬は勘弁願いたいところなのですが、クラウドソーシングなどの個人間業務で定期的に齟齬によるトラブルに見舞われています。

会話の時短によるトラブル

昨今発達を遂げている予測変換に起因する誤変換が増加傾向にあり、それを嫌う意味でスタンプやアイコンなどを利用するケースが多いという話。単純に入力手間が面倒だという理由でもスタンプやアイコンが好まれる傾向がある。予測変換の精度は年々向上しているとはいえ、予測変換のアルゴリズムは「最近使った単語を優先的に予測候補に挙げる」という性質上、日常利用している単語による誤解の誘因などが定期的に発生している。笑いのネタになるような誤変換から社会問題になりそうな危険な単語を含む誤変換などもあり、「投稿前や送信前に文章確認を」という文言が企業メールでも出回る程度には問題になっているという。

こんな日記ブログから雑談SNSなどでも日々文字校正に気を遣っているのは、表現というよりも解釈不一致によるトラブル防止の観点が強かったりします。特にSNSでの発言に気をつけている背景には炎上問題があり、たった一文字の誤字による解釈不一致が予期せぬ誤解を生み、それが誤解を維持したまま拡散されるという事態を周囲で観測したことにあります。冗談のような本当に有った話の一例としては、広域で観測した分には刑事沙汰や裁判沙汰になった事例があったようで特に警戒していますが、誤解の暴走や拡散によって事件性は発生し得るという事案には日々戦々恐々としてしまいます。特にSNSはその拡散性の高さから炎上沙汰や事件沙汰になるケースが増えてきており、うっかりした発信が大惨事を引き起こしたという話はわりと身近にある話であり、身が締まる思いです。昨今だと、バイトテロや不謹慎動画といった類で定期的に炎上事案になっているという話が記憶に新しいように思いますが、「何故これを投稿したいと思ったのか」という映像や発言も多数あり、とにかく「投稿ボタンを押す前に内容確認を」と声を大にして言いたい次第。

LINEスタンプが溢れかえるほど頒布されている背景には、やはり「意思疎通の時短」があるのかもしれません。とにかく時間不足が著しいこのご時世・社会情勢が過度な時短要求をコミュニケーションに要求しているのかもしれませんが、短縮してはいけないことや事案を的確に分類する技術が必要になってきているように感じています。おしゃべりはじめとしたコミュニケーションはもっと時間を割いてゆっくりと行うものだと教わってきましたが、その教育情報すらも古い時代のコミュニケーション方式になってしまったのかもしれません。意思疎通の簡略化によって被る不具合と、それらが引き起こす二次的・副次的な不都合が昨今大きな問題になりつつある都合、言葉を選ぶ技術や空気感を伴う文章構成技術は逆に必要性を持ってくるのではないかと思う次第です。うっかり情報によってこれほどまでに損益を被る機会と可能性を秘めてしまったSNSと上手く付き合うためにも、こういった言葉遊びのようなテキスト選びの技術も改めて見直す必要があるのかもしれません。温故知新・表現の新旧から学ぶものもあると思うし、何より語彙力の拡大はコミュニケーションの充足度を底上げしてくれるものだと思う次第です。

時短を求める社会風潮

効率化至上主義のような時短を求める傾向はビジネスシーンは勿論、日常のあらゆる分野に浸透しつつある。時短による効率効果は「熟知していること」が大前提にあるため、安易な時短探求はそもそもの効率低下を招く危険性がある。また、コミュニケーションを求めるシーンに於いての時短は意思疎通の齟齬に繋がるケースも多く、思わぬ誤解を招く危険性もある。それでも昨今は多くの分野で「時短による効率化を求める」傾向が強いといわれている。

ただ、昨今は「意図して炎上させる」表現を好む傾向があるとかで、それはそれで苦慮する機会も増えたようにも思います。バズを意図した炎上発言でもって注目願望を満たす、またはそれに準じた集客効果を得るという表現は昨今一般化する傾向があるようで、表現を扱う仕事を行う人間として「この界隈は本当に大丈夫か?」と心配になることは随分増えました。表現がどこに向かっているのかは知る由も無いですが、言葉が危険物のようになる日も近いのかもしれません。

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