趣味と営利の境界にて思うこと

日記・雑記・私的話題

趣味に営利的価値観を求めるというシーンが増えてきたように思うのですが、それは昨今「純然に趣味に没頭できなくなる」からではないかという話が出てきた際にふと考えてしまうことがあっていろいろと振り返る機会になってしまいました。ブログのついでにアフィリエイト広告、仕事の合間にクラウドソーシングなど、昨今は余暇を活用した時短やスキマ活動の類が増えてきたように思います。悪いというわけでは無く「活用術の類」なのでしょうが、昨今はそれらが本来の目的や目標を押しのけて主題になりつつあるように思えてきて、何かとモヤモヤするきっかけになっている気がしています。純粋な消費系趣味に「リターンを求める」のは善し悪し的にどうなのかというのも話題になりましたが、そこはさて置きとして、問題は「趣味を楽しむために必要外のそろばんを弾く必要があるかどうか」なのではないかと考えている次第です。

「将来の夢はお金持ちになること」というのは否定の余地も無いですし、資本主義経済社会に於ける経済力というのはある種の指針のひとつでもあり、揺るぐことの無いステータスのひとつでもあります。ただ、大多数の趣味人が「趣味で第二の収益を」と考えるようになるのは、趣味の括りで考えても母数が増えすぎたようにも感じます。問題なのは、趣味が高じて仕事になってしまった場合に発生する「義務や責任問題の発生」というひとつのシーンが問題になってしまうことで、お金や業務的責任の発生による趣味行為が趣味の枠組みから逸脱することによるトラブルにあります。古今東西のお金にまつわる諸問題はこの副業ブームとも言える二次収入・副収入活用に端を発する事案が増えており、安易に出来るはずの趣味活動の一角に影を落とすきっかけになりつつあるといいます。

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アフィリエイト広告のシステムが日本に上陸して認知に至るまで、この界隈にはかなり多くの諸問題がありました。広告システムの認知のすれ違いに端を発し、無知によるスパム介入やシステムの濫用、その他モラル崩壊とも言えるような迷惑行為への加担など、そもそものウェブ趣味からの逸脱行為や迷惑行為が劇的に増えた時期があり、その時期はおおよそアフィリエイト広告の登場時期と重なるモノとなっていました。この諸問題がある程度の終息を見せたのは、何度かのGoogleアルゴリズムの更新と業界の活動努力によって成されてきたと言われていますが、アルファブロガーの台頭からブログ飯の普及などによるある程度の「正確な認知」でもってやっと終息にこぎ着けた感もあります。少なくとも10年近くの時間を要しています。これによってEコマース界隈は相応に賑わったとは言いますが、それに伴うトラブルは頻発したとも言われています。どの界隈にも一定の迷惑行為に及ぶ人というのは存在しますが、金銭問題が背景に加わることによって状況は悪質かつ根深いものに変貌する可能性が高まってしまいます。

昨今、趣味の多角化が言われていますが、どちらかと言えばそれは過去の時代から言われてきた話であり、今更どうこうという議論を交わすものでもないのですが、安易に参加した新参者が周囲の状況を判断すること無く自身の利己のために暴走するというシーンには遭遇率が高くなってしまいました。一定の趣味範疇にはいわゆる「暗黙の了解」というものがあり、それらは趣味人から伝承されるカタチでもって趣味界隈人に伝わっていたそうですが、昨今はそれらが希薄になってきたと言います。趣味人同士の人的交流が希薄になった結果、その類の情報が共有されにくくなったというのが一般論とされているようですが、昨今は他にもトラブルのトリガーになっているのがSNSの「いいね」といわれています。これらのステータスの獲得や充足のために発生する諸問題のために、純然たる趣味人と兼業の趣味人との間にはかなり強烈な対立関係があるようです。「ブーム到来と共に趣味界隈を去る人」というのは、このあたりの問題に嫌気が差した人だと言われているようですが、実際の所はどうなんでしょうか。

どの界隈のどの分野に於ける活動や趣味にも一定数の無理解者は存在しますが、おおよそ無知・無理解・利己主義に集約するといわれています。昨今のアニメ・ゲーム・コミックなどのメディアもまた、かつてこういった圧力に晒されて叩かれてきた経緯があります。結局の所こういった趣味活動を興味本位で叩きたがる層は趣味世界の理解などには一切興味関心を示さず、己の主義や思想でもって殴ることしか興味関心を示しません。趣味界隈の趣味行為の防衛のためのこういった共有知の類はもっと知られて良いというか、もっと認知されないことにはあらぬ誤解の誤認を招きかねないのですが、昨今「対話をしなくなった人間関係」とも言われているらしいこの趣味界隈の人々には、古い時代からの趣味人は頭を抱えているとかそうでないとか。昨今、写真趣味を持つ鉄道趣味人の間でこの話題は定期的にシェアされるほど問題になっているのですが、一番シェアされて欲しい人にはまったく届かないという嘆き話をよく耳にするようになりました。

同好の士というのはもっと打ち解けられる存在と思っていた時期がありましたが、フタを開けてみると結構な確率で爆弾が入った宝箱を空けてしまうと言う事案に見舞われるというこの趣味界隈の問題。かつてはウェブの副業界隈の一端の問題でしたが、SNSで「いいね」の数がステータス化すると一気に大問題化するに至りました。特に、スマホカメラの一般化と写真共有サイトの拡散性は熾烈を極め、「映える写真」にまつわる諸問題を拡散するきっかけにもなりました。写真界隈の諸問題はバズやシェアに振り回される時代になり、更なる諸問題を拡大するに至ったのですが…また別の機会に。そういえば、「いいね」を稼ぎ出すアルバイトがあったとか無かったとかという話が出たような気もしますが、今や「いいねは商品」と言った所なんでしょうか?

趣味のステータス化も否定するべき所とは違うのでしょうが、これによって迷惑行為として認知されるのは避けたいと思う次第です。また、時代はもうちょっと「消費に寛容」でもいいと思うし、「必要以上にそろばんを弾かなくて済む時代」にもなって欲しいと思う次第。いろいろと難しいところは多いようですが、安穏とした趣味活動がしたい次第。

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