リアルタイム vs 思い出

日記・雑記・私的話題

オタク趣味として「収集癖」のある中の人ですが、昨今はすっかり断捨離傾向に転換してしまい…昨今はすっかり部屋の中身がすっきりするという事態になりました。うっかり終活と勘違いされるくらいモノは減り、データ化されたコンテンツはスマホやタブレットの格納され、その情報端末の存在がそのコンテンツ保持の証拠物として残っているという状況…昨今の情報化されたオタクの発展系をここに見た気がしましたが、そもそも昨今は空間事情や維持費などの兼ね合いから「保存すべきモノを持つ事への忌避感」があるように思います。昨今は保存や所有よりも「感動の瞬間の共有」などの「リアルタイム嗜好」へとシフトは進んでいるのかもしれません。唯一の保持物が「データでの記録」というのが昨今のインターネット時代らしいというのがなんとも。

そのあたりが反映されているかのように…動画視聴時間は増え、SNSへ張り付く時間が長時間化し、コンテンツのリアルタイム消化にエネルギーを多く吸い取られるという事態に陥っています昨今のモバイルデータ消費事情が動画リソースで多くを割かれている実情にがっちり合致してしまうという格好悪い話になってしまうのですが、ここしばらく動画リソースにべったり人生の余暇を吸い取られており…やはり通信規制があってでもいいから動画への介入時間を減らさなくてはと思ってしまう次第。そして、昨今もっとも増えたのが「ライブ配信の視聴」に割くエネルギーというのが自身の疲弊感を増幅させているという話であり、体力の落ちてきた昨今に重くのしかかっています…二度目の出勤をするかのようにライブ配信サイトへと足を運んでしまう現象、なんとかならないものかという気持ちが重いです。

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最近になって多くの動画配信サイトの恩恵にあずかる機会を得たのですが、すっかり往年の名作にどっぷりハマってしまうという格好悪いスタイルを貫く羽目になっています。リアルタイムで話題のアニメなどを視聴する機会を得たはずなのに、リアルタイムで視聴できる作品数がどうしても増やせないのは…配信本数の劇的増加もありそうですが、それ以上に「リアルタイムが追いつかない現状」の所為かもしれません。そして、リアルタイムで視聴し損ねた作品が「積み上がっていく」という現状があり、数年後になって改めてイッキ観する羽目になり「何故あのときリアルタイムで…!」と悔やむことを繰り返しています。そしてあの感動を共有したくても周回遅れという現実が更なる精神的ダメージになるのですが…それはまた別の話であり、心の奥底に留めておけばという話なので割愛。

ここ数年のアニメ作品に於ける「リアルタイムを活用した作品展開術」は目を見張るモノがありますが、それ故にリアルタイムに「乗り損ねた時の後悔感」は半端ないものがあります1クールに20本近い放送枠が今なお続いているアニメ界隈に於いて限られた余暇をその消費に当て続けるのは結構な疲労を伴う話であり、断腸の思いでリアルタイム視聴を逃してしまった作品たちも多いと思われる次第ですが、業界の盛り上げや維持継続のためにも…大量公開に至る昨今の放送スケジュールには何かしら策を講じて欲しいという気持ちも尽きません。

作品の恩恵を「放送後のパッケージ販売に依存している部分」はこの業界の重荷になりつつあるという話もあり、数千にとどまるパッケージ戦略のために練り上げられたイベントスケジュールもまた重いものに変貌しつつあるとか何とかで…作品を視聴しながらジレンマを感じるシーンもでてきたりして、やきもきする機会も増えました。また、業界にとどまらず国内経済そのものが慢性不況といわれる昨今は「地域密着作品による地域活性策」などの仕掛けもあって、私たちは「熱量の分配先に混乱する機会」が増えたのかもしれません。もっとも熱量の分配は個人の琴線にふれた範囲内で行えば良いのですが、「感動のリアルタイム共有」がこの辺の前提条件に組み込まれてしまっている昨今のオタク趣味界隈の事情を考えると…もっと作品の公開時期や仕掛けの変更、何よりインフレ感の高い昨今の配信事情を何とかした方が広域にわたって幸せを分かち合えるのかもしれません。この辺の事情は個人レベルの話をはらんでいるので本当に難しいのですが、本数過密という事態が巡り巡って「作品の熱量を下げている」感は受けてしまいます

作品の「そもそもの母数が多すぎる」という日本のオタクメディア特有の問題そのものは解決困難な状況というのもひとつ噛んでいる部分ではありますが…感動共有型の作品の本数増加に対して作品寿命が短命化をしている部分もあるかもしれません。本気で追いかけ出すと年間3桁本の作品を追いかけることになり、また水面下で進行しているであろうメディアミックス予定作品やその原作系譜などの読み解きなども含めると…いちオタク趣味者が感動の共有先を求めるのには限界値がキツすぎるという現状があるように思います特に時間と資本的な理由はわりと切実であり、「制作サイドと消費再度の共倒れ」という最悪の事態をも含んでいることからも…昨今はちょっとインフレ傾向が加速している様子がうかがわれてしまいます。作品に触れた瞬間が賞味期限というこのメディアの性質上の問題とはいえ「未開封のまま作品の鮮度が落ちてしまう」という事情は…モヤモヤする気持ちを抑えられずにいます。

2019年もまた「未視聴によるモヤモヤと向き合う」シーズンになり、今更春アニメ作品などを視聴したりしていますが…何故あのとき観ることが出来なかったのかという作品は枚挙に暇がありません。1年以内ならまだしも、数年単位での周回遅れに至っては後悔しか残らず…作品の感動とは裏腹に気持ちのやり場に困ってしまうという事態に苛まれてしまっています。リアルタイム感動シェアという昨今の楽しみをそっくりそのまま別物としても昨今は高密度化したSNSからの情報流入も多く、作品への熱量が中途半端にしか昇華できないというオタク特有のモヤモヤに包まれています。個人単位の趣味であればそれで済む話なのでしょうが、昨今はメディアミックスされる作品数も激増し「否が応でも共有したくなるギミックによって翻弄される」ケースが増え…気持ちが宙に浮いてしまっています。そして、それだけの物量が有りながらも品のクオリティは健在な作品数もまた非常に多いため…2020年はどんな風に作品に翻弄されるのか、戦々恐々でもあります。「私も老いた」といえばそれまでですが、老いていない層すらも置いてきぼりにする昨今の作品輩出量…何とかならないものか。

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