社会インフラの「電化」が進み始めて久しくなってきましたが、ここ数年は「産業の電化計画の転換」を観測するに至っている次第です。電気機器の性能向上は年々めまぐるしく進んでいるにもかかわらず「給電事情が改善されない」というジレンマが背景にあるようで、電気自動車の普及などを中心に普及率の頭打ちを多く観測しました。また、東日本大震災によって発生した「輪番停電」という事例からも「オール電化疑問視」は認識されるようになった部分もあるようで、「電力は便利だが供給は難しい」という認知を得るに至った部分も観測されるようになりました。電気エネルギーによる設備設計は高効率かつ省力化を達成し続けてきたわけですが、その反面で「電力供給事情の脆弱性」が露呈した形になってしまい、また世界的な情勢不安定から「資源調達の問題」なども浮上し、総合的に「電力依存への見直し」に繋がっているようです。
世界的な「二酸化炭素排出量の規制強化」の動きが電化施策を後押ししている背景があるのですが、貯蔵が困難な電力エネルギーは性質上「常時供給状態」である必要があり、発電効率も高い水準で推移させる必要があります。その仕組みの上で以前は原子力発電が世界的に推進された背景がありますが、その認識は東日本大震災の原発事故によって疑問視されるようになり、新たなる発電方法が強く模索されるようになりましたが、現時点に於いて旧来の火力エネルギーによる発電方法に変わる発電方法は確立されておらず、またエネルギー貯蔵技術も頭打ちの状態で推移している現状が未解決の状態で横たわっています。パリ協定から約10年が経ちますが、結果として火力発電の稼働率は引き続き高水準で稼働しており、年々の電力依存度は今なお高い水準下にあり、それに対して抜本的な構造改革は出来ていないという実情があります。そして、協定批准国が協定ノルマを達成しているかと言えば、これもまた頭打ちで停滞しているという実情もあるため、近年この協定そのものが疑問視される傾向になっているとか何とか。
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地球温暖化に対して「二酸化炭素排出量の削減」を掲げたパリ協定ですが、結果として多くの国が当初の目的値を達成出来ずにいるという事実のほうがしっかり認知される程度に進んでいないという話。そもそも二酸化炭素排出量のために火力エネルギーを抑制しようというイメージは伝わるものの、現実問題として「二酸化炭素排出量の抑制だけで解決出来るか?」といえばそういう理由で片付けられる話でもないのが実情であり、発電効率も改善出来なければ資源消費量も節約には至っていないという話であり、結局のところ現状維持すらもままならない状態のまま10年が経過したという話。電力エネルギーによる高効率化の達成は確かに「該当機器の二酸化炭素排出は抑制できる」という話に繋がるのですが、そのエネルギー源たる「電力供給」には莫大な熱エネルギーと二酸化炭素が伴うという副産物が存在することが注目されていないというのは「事実誤認に繋がるミスリードではないか」と思わずにはいられません。また、新たなる発電方法も「確立されないまま運用にかけられる」というリスキーな運用方法に晒されており、結果としてそれが「温暖化抑止に繋がるのか」といえばまだ疑問符の方が多いという実情があります。
日本に於ける電気自動車の普及失敗と経緯
日本に於いて「補助金を出しても普及しなかった」電気自動車の諸問題の多くが「給電事情」に起因しており、さらには充電時間や航続距離の問題に加えて「バッテリーの特性上の問題」である「酷暑・寒波時に於ける運用困難」という問題に直面し、施設維持の高コスト化問題も相まって改めてガソリンエンジンの認識を改める結果となってしまった。また、車両運用に耐えられるだけのバッテリーの安全性と価格の両立も上手くいかず、約5年周期で訪れるバッテリー交換の負担費用の高さなどから高効率のガソリンエンジンが再注目される結果となった側面もある。また、事故時などに於いて火災が発生した際の「バッテリーの可燃性問題」なども付帯してしまい、現時点での「電気自動車の安全な運用体制」はまだ未確立の状態であると言わざるを得ない状況である。
日本に於ける電気自動車への取り組みと欧米諸国での電気自動車への取り組みは一概に合致しない部分が多いが、共通の問題として「電力面での諸問題」を解決出来なかったのは大きな技術的な収穫であったと思われる次第です。共通の問題として挙がったのは「発電施設の発生させる二酸化炭素排出量の減量困難」と「走行時に於ける電力的問題の解決困難」であり、これによって電気動力のみの車両の「クルマとしての運用性」に疑問符が投げかけられるようになりました。欧州諸国では発電用の資源をロシアからの輸入に依存していた部分がななりの比率あり、先のウクライナ侵攻に端を発する供給停止によあって発電コストが暴騰するという問題に直面し、一部では供給不足に陥る国や地域が発生しているとのこと。本来なら「地球規模でやらなくてはならい取り決め」であったパリ協定は「中核となる国の協定離脱」という憂き目に晒されており、現実問題として機能不全に陥っているという状況に置かれています。
また、これら諸問題の発生に伴い「エネルギー事情の大幅な見直し」が国家急務になりつつあり、エネルギー資源調達から運用に至るまでの全てのエネルギーマップを書き換えなくてはならなくなるという事態にもなりつつあります。特に原油の海運事情にまつわる情勢不安は非常に大きな問題になっており、これは世界中の海運ルートの書き換えになるのではないかと大きな懸案事項として取り沙汰されています。日本に関して言えば主要な石油輸入ルートは中東地区の産油国が占めており、その海運ルート上にあるいくつかの地域で「安全上の懸念点」が指摘されている地域が複数あることが挙げられており、ホルムズ海峡やマラッカ海峡、南沙諸島周辺の南シナ海などが危険視されていますが、今後「制海権不安定地域からの輸送リスク」は増加傾向に転じるのではないかという噂も多く、実際問題として海運ルート上の国家間問題などは昨今多くの注目を集めていると言います。これは日本の問題だけにとどまらず、国際的な海運事情の悪化という最悪のシナリオの布石になる可能性を秘めている次第です。また、資源拠点を巡っての軍事的衝突もあり得るという話にも繋がるとの指摘もあり、情勢不安に対しての不安は高まるばかりと言えます。正直な話「二酸化炭素排出量の話をしている余裕はない」のが実情です。
パリ協定からの「エネルギーマップの転換」
東ヨーロッパ諸国の資源供給元にロシア及び周辺の親露国がかなりの比率を占めていることがロシアのウクライナ侵攻時に浮き彫りになったことで、ヨーロッパ諸国の多くが資源調達の転換を迫られるという事態に陥っており、発電コストの高騰や電力供給不足を引き起こす要因の上位に組み込まれることになった。ロシアへの資源依存が強い国や地域では電力供給が出来なくなる最悪の事態にもなっており、資源確保に世界中が奔走するという事態に陥っている。ただ、産油国を連ねる中東諸国もかつてからの度重なる軍事紛争などから資源確保が難しくなっており、世界中でエネルギー供給が混乱状態にある。武力紛争地帯に於いてはエネルギー資源施設などが攻撃対象になることもあり、現時点に於いては「気候・環境問題どころではない」のが共通の問題となっている。
産業革命以後の資本主義経済社会及び民主主義政治の時代に於ける昨今の状況を「かつての世界恐慌の状況に酷似している」と評する人もいますが、産業革命以後の「大量生産・大量消費による経済活動を基軸とした国家運営」の手法がそもそもの限界に達しつつあると評する人もいます。どちらが正解・不正解かを説くことは難しく唯一の回答を導くことは困難ですが、エネルギー資源を巡る紛争や抗争の類は今後増加傾向に転じるものと推測されます。エネルギーがなければ産業はおろか生活すらも出来ない都合、世界は倫理をかなぐり捨ててでも自国保護に動くものと思われ、これによる世界的な紛争の散発は避けられないものと思われる次第です。資源利用による豊かさを知ってしまった私たち世代は少なくとも「エネルギー資源の恩恵無しには生きられない」人々の方が多く、結果として世界規模での軍事的衝突も射程距離内に入ってしまうという状況には陥るものと思われる次第です。これは確かに「第二次世界大戦勃発の直前の状況に酷似している」と言えます。
これらのエネルギーにまつわる諸問題がどういう方向に転換していくかは予想ができない部分ではありますが、少なくとも情勢的には「環境問題と向き合うにはあまりにも治安が悪くなりすぎた」という時代背景があり、この協定そのものもしばらくは棚上げに近い状態になるものと思われる次第です。「たかが電力資源で」と思われる人も多いかもしれませんが、今や必須インフラとなった電力エネルギーの枯渇問題は死活問題そのものであり、これを巡る諸問題は今後増加をするものと推測される次第です。



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