真の不況を誰も知らない

時事・事象・社会現象

何も経済の行き詰まりだけが不況というわけではない、それを連想させる事案は実は多く有ったのでは無いか。昨今はツイッター界隈だけでなく身近なリアルでもそう思わせるような事案は多数有ったように感じる昨今、収入の額面は間違い無く減っているけれど…それ以上に人としてもっと大切な何かが失われているのではないかと感じさせる事案が複数あり色々と思うこともありました。おおよそバブル経済崩壊といわれたのが平成のはじまり頃の話で、今はもう平成は過去の年号になってしまった時間軸。そのだいたい30年間もの間に延々と不況という時代が続いたという話になるのですが、それなりに経済面での回復期はあったような気がするわけで…何が原因で何を根拠に不況が続いているというのか、という話。

雑な説明でもって不況を説明するというのであれば、不況とは「立ち行かない時期」と定義できると考えています。しかし、不況といえどそれなりに経済はまわり、それなりに利を得ている人は存在するという話。この状況を鑑みると見えてくるのは…金銭的価値以外の不況、つまり「人間の価値」に起因する不況ではないかという話を前提に持ってくると妙にしっくり感があります。派遣に纏わる諸決定に端を発する「派遣切り」や「ブラック経営問題」には「人的価値の否定」が見え隠れしており、ある種の「犠牲を尊ぶ思想を盾にした尊厳の虐殺」ではないかと考えています。この長き不況時代が引き起こしたもっとも大きな犠牲とは、それは「人間の価値暴落」ではないかと云う考えをどうしても否定できずにいます。

スポンサーリンク

「努力は必ず報われる」というセリフを誰が言ったかは知らないけれど、この言葉を発する人の多くは「報われた成功者である」という話はとても興味深かったりします。「成功者だからこそ、その努力が評価される」といった方がニュアンス的に近い感じがしますし、失敗に終わった努力は結局見向きもされないという苦い事実は「評価が第三者の判断に委ねられる」というレビュー的思考に近いようにも感じます。「報われる」ということそのものが「成功したが故の恩恵」のようにも感じられるのですが、その辺はやはり微妙なところと云わざるを得ないかと思われます。「レビューは第三者の勝手判断」という乱暴な話も、極論で返すのであれば…その意見もいくらかの妥当性はあるという話。

職場でも定期的に「お前の代わりはいくらでもいる」というセリフに遭遇しましたし、実際に即決即断で縁を切られたケースもありました。そのわりに求められるのは「役に立つ、それでいていつでも棄てられる人間」という実情を見せつけられたりしてモヤモヤするというシーンに何度となく遭遇しました。経営視点で見れば「人件費=無駄」という図式を再三見せつけられ、効率化という名の酷使と交換を迫られるという事案に何度も遭遇し…結論としては「人間に払うカネは無駄」という超極論に辿り着くという最高に暴虐な結果論を導き出すという結果に至り、平成という30年くらいの間で「人間の尊厳の失墜」を見せつけられるという事態に至った次第です。中世の奴隷社会のようなお伽話のような21世紀の現実、これとよく似た事態が昨今の日本で普通に行われている…少なくともその図式はわりと多くの企業社会で見つけられたり出来るので、なかなか現代は退廃的なニオイがします。

人間の意欲が生み出すイノベーションみたいなものは確実にあった…そう記憶しているし、私の学生時代の頃は「年功序列は育成のひとつの形である」とも教わった。ただ、実際にその歳になり社会に出てみたら幻想社会でしかなかったのは時代のタイミングが悪かったのかどうか…はさておきとして、少なくとも順調に酷使され疲弊し、いろいろ破綻するまでに追い込まれるに至ったのは間違いないです。多くの経済書籍や自己啓発書籍などを読み漁った時期もあり、「人間には価値がある」と考えている時期はあったものの、「評価されない努力は何の価値も生み出さない」という現実をぶつけられたという実話は今でも定期発生する事案であり…間違い無く、精神は貧しくなっていった感はありました。

資本主義経済社会だからか、といわれてしまえばそれまでかもしれませんが。人間の命が札束よりも価値が軽い時代であるのは薄々感じていますし、カネのない人間の尊厳なんてティッシュよりも薄いというのも然り。また、そういう思想を受け入れる土壌に至るまでが形成された平成という約30年という時間は、今に於いては「真の不況にふさわしい暗黒時代」なのかもしれません。「尊厳有る自殺を求める層がいる」という、数十年前には考えられなかった闇の部分が露呈している昨今の精神世界に起因する令和の時代、経済的不況を覆す起爆剤は現れるかもしれない裏で「二度と取り戻せないものを失い続けている」という事実が重いです。

その事実に漠然と気付いている層は確実にかなりの数いるはずなのですが、だれもその事実と根拠を突き止められずにいるという事実もまた、重い現実の無理難題だったりするのですが…。

コメント

タイトルとURLをコピーしました