本の値段は適正か否か

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昨今の電子書籍サービスの普及の影響か、定期的に電子書籍の特売というものに遭遇するようになりました。時々「99%値引き」とかあったりするので値段の感覚がおかしくなることもあるのですが…そもそも本の価値なんてものはかなり時価に影響されるであろう商品なので、その価格帯がそもそも高いのか安いのかというのは判断に困る部分であると考えています。ユーザー個人としては安いに越したことはないのですが、その部分が強調されてしまうと個人的にはウラの部分が気になって仕方なかったりするので…余裕のある時くらいは時価で買いたいなって思ったりもするのですが、色々と思うところ多き部分。

旬の時期を過ぎた本ほど雑多な扱いを受ける商品はないのではないかと思っているのですが、実際のところはどうなんでしょうか。読まれずに一定期間経過してしまった本の末路というのがおおよそ想像に難くない結末しかない都合、できるだけ本の時価は尊重したいと思ってはいますが…本の出版部数は本当にピンキリで、個人レベルの自費出版などを含めるともはや密林探索レベルの困難な作業になり、タイトルを探すだけでも骨折りという事態に陥ってしまいます。ある意味読書大国であり、ある意味巨大な印刷大国でもある日本の読書事情…電子化でいろいろと変わる部分はあるのか否か。それでも読書がやめられない出版事情、これからが気になるところです。

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Kindleを中心にした読書生活を送っていますが、定期的に告知無しのタイムセールがやってきて財布を圧迫する事案が発生しています。練り上げられたAmazonの購買システムは特にデジタルコンテンツと相性が良く、Kindle本は下手な古本屋よりも圧倒的に商売上手な戦略でもって購買意欲を刺激してきます。その辺の古本チェーン店との違いはその検索での優位であり、かつ在庫無制限というデジタルコンテンツならではの強みも相まって読書界隈に侵食しつつあります。それに加えての価格崩壊のようなタイムセールとあれば…否が応でも財布の紐が緩むというモノでして、昨今Kindle本への「納税」が尽きない状況が発生しています。

今日も今日とてAmazonでは大規模タイムセールとやらで、数々の商品といっしょにKindle本もセールが組まれているようでして…早速寒い財布にダメージが届いています。2割・3割を当たり前のように値引き価格で提示しているAmazonの販売の仕組みは良く解らないものの、読書の虫たるユーザーとしてはこういう仕組みでもって販路拡大やら何やらにアプローチしていくスタイルというのは…昨今はむしろ必要性が高いのではないかなどと考えています。この問題には諸般いろいろな方面から多様な意見が噴出しているのですが、市場原理に基づいて考えるのであれば「便利でローリスクな手法での展開」には賛同したいという考えです。おそらくここにあるのは「本というモノ」に価値があるのか、「本に記載されている情報」に価値があるのかの差異だと考えるのですが…ここは本当に数年くらい前から熱い議論が繰り広げられている問題のひとつでもあり。

おおよそ日本の出版業界を大きく牽引しているのはライトノベル界隈を含むコミック分野だと思うのですが、コミックやライトノベルの単価が高いと思うか安いと思うか…これだけでも千差万別の反応があると思います。1ヶ月後くらいに古本屋のワゴンに1冊10円くらいで積まれる運命の本もあれば、何故かプレミアがついて倍以上の価格に跳ね上がる本もあったり…この界隈は昨今のオマケ商法もあって価格的にもかなり混沌としており、そもそもお金で買える話か否かというところまで飛躍する作品も有ったり無かったりで、価値の形骸化とも言える事態は定期的に発生していたりします。かつては500円くらいで推移していたと思われるコミック界隈では昨今、OVAディスクやフィギュアがついてきたりするオマケ戦線の影響もあって値段は不安定要素が大きくなりすぎており…書店に「似合わない何か」が平積みであったりするなんていうカオスが昨今は日常化しているという話。売り上げや傾向の問題なのでしょうが、この業界はどこに向かっているのかがちょっと心配になる事案は随分増えてきた様子。

Kindle本として流通枠に出ている本の多くは2010年以降くらいのタブレット普及期以後のものが多く、それ以前の作品のかなりの数は電子化されていないのですが…今後絶版復活のニーズなどがあれば電子化による逆転現象なども起きるかもしれません。単純に書籍内情報が欲しいというニーズが強ければ電子化は加速し、物的プレミア感に傾けば絶版のままという流れが現状の市場傾向であり、これからの読書界隈は未知数の部分に結構振り回されている部分があります。この辺は商売勘定なので、ニーズを訴え続ければ商品化へと至るルートが形成される可能性が出てきます。そのための布石としての「たたき売りセール」であるのはかなり明白ではあるものの、今後も読書の虫を続けたいのであれば…そのウェーブに乗っかってみるのも良いと思う次第です。

実際に本棚のリアル書籍の8割以上を電子媒体に切り替え、一部は買い換えまでして電子化に踏み込みましたが…スマホとタブレットによる読書週間は「端末次第で化ける」習慣であり、状況次第では面白いほど読書が進むというのを体験しています。昨今の大型化するスマホの恩恵もあってコミックもかなりスマホで消化するに至っていますが…消化するには充分な端末性能のおかげで不自由なく読めています。諸問題のひとつ…コミック界隈で云うのであれば「1冊15分くらいで読める本にワンコイン」という感覚が「高いか安いか」のくだりですが、そんなのは「些細な課金」だというのが本の虫たる私たちの多くの回答だったりするのですが…昨今の「書籍バーゲン」についての色々な意見というのが気になる次第です。

Twitter界隈でひっそりと推している作家さんの既刊がうっかり半額だったらどうするか? そりゃあ買うでしょう…ということで、財布が許容する限りのブックバーゲンを楽しんでいる今日この頃です。コレクション要素の強い大判本以外の多くが電子化へ至る中の人の書庫ですが…単純に私たちは読み手であり、描き手に貢献できる形であればその手段でもって購買したいという話だったりします。古本屋で買う売り上げは作家に届かないから…と、いつかの作家さんのツイートを忘れたくないので、できるだけ。推しを推すなら、推しに届く推し方を選びたい。

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