2020年のV作戦について

文化・注目・有名現象

今となってはメインストリームを形成するに至った動画コンテンツのひとつ、バーチャルなYouTuberたちが席巻するコンテンツ群は「VTuber枠」としてその一角を認知されるに至ったと聞きます。彼らが展開するコンテンツの多くはそれぞれの個性に準じた比較的個人的な配信コンテンツだったのですが、昨今それは個人の枠にとらわれない広域コンテンツとして展開され、彼らを支援する個人や企業体の恩恵も併せて一大コンテンツ群の一角を勝ち取るに至っているという話。YouTubeのコンテンツ収益化の恩恵によりそのコンテンツは比較的新しいマネタイズコンテンツの形成にも影響を与えており、これらのコンテンツは色々な側面での影響を期待されているとか。もともと20世紀後期頃に「未来的なコンテンツは個人の影響力でもって再構築される」というメッセージ的なものはあったのですが、それこそそれはそのメッセージが仮想コンテンツ内でのメッセージのひとつでしかなかったのですが、それらを21世紀的バーチャルなキャラクターたちが牽引してしまったというなかなか夢のある話でもあったりします。

キズナアイやミライアカリあたりから急激に拡大を遂げてきたVTuberコンテンツですが、そのコンテンツの形成の経緯やそれらに立ちはだかる困難といったものは70年代のマンガや90年代のゲーム、2010年頃のインターネットのように「普及と認知との戦いだった」と聞き及んでいます。いわば「何も知らない層へも認知は知れてしまった」が故に起きる特有の無理解や偏見との戦いはかつての娯楽メディアへのバッシングに酷似しており、昨今はSNSなどから「中の人の心情の吐露」が見え隠れしているとも聞きます。また、急激な拡大に伴う界隈の迷走や葛藤なども見え隠れしており、まだまだ成熟過程に於ける特有のジレンマも抱えているとも聞きます。それでも彼らは独自のアプローチでもってコンテンツを提供しており、それらは既存のメディアコンテンツを凌駕する勢いでYouTube界隈に浸透しているという話で、もしかしたら既存メディアを駆逐するのではないかという話にまで手を伸ばしているとかで多くの彼らの支援者が期待を寄せているという話でもあるようで、21世紀のジャパニーズドリームを彼らが掴むのではないかという期待も寄せられているようです。

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VTuberが展開するコンテンツの中核はおおよそテレビ普及期のような娯楽的コンテンツが主体であり、違うところと言えば「YouTube利用者の指向性に最適化されたコンテンツが主体」であるというところ。おおよそ検索によるチャンネルチェックによってピンポイントに個人チャンネルへアクセスができるためにノイズになるようなコンテンツが少なく、また極めて個人単位での交流や支援にリーチが届いているところが好評を得ていると聞きます。おそらくはYouTubeのインフラ事情やガイドライン・収益化の仕組みが安泰であれば延々と彼らはその影響力を得ていくのではないかと思われる次第です。インターネット普及期に提言された「インターネット・テレビ構想」とも呼べるインターネットを介した双方向性コンテンツはここに来てVTuberがその利便性と有用性を獲得したという話であり、テレビメディアがオールド化している間にその影響力とコンテンツ収益化のメカニズムを獲得したという話であり、テレビメディアの終焉を決定付けるきっかけがYouTubeを経て日本からやってきたという話。これについてはテレビメディアの自業自得とも言える報道性の欠損も一因していると思われるのですが、この手法そのものはかつてのテレビメディアが築き上げてきた手法のひとつであり、自身の兵法でもって自分たちが追いやられるという事態になってきたことはどういった皮肉の話なのかと。

強烈な個性役者の博覧会とも言えるVTuber界隈ですが、コンテンツそのものは非常にライトなもので、トーク系コンテンツやゲーム実況といったバラエティ系に属するコンテンツが多くある印象です。ただ、バラエティ系コンテンツの展開方式としてはこれらはおおよそ正攻法的なコンテンツ展開であり、アプローチのマッチングもあって昨今は大きく注目されることとなりました。また、昨今停滞気味とされていたゲーム界隈と強調することによる相乗効果はゲーム業界や配信を支えるパソコン業界に一定のエネルギーと需要を供給したとも言われ、ひそかに「配信系特需」が発生しているとも言われています。また、ニコニコ動画などで小さいながらも支持を得ていた「ゆっくり○○系動画」や「歴史・史実解説動画」なども再注目されるようになり、停滞していたニコニコ動画配信勢を取り込むことになったのもVTuber効果として評価されるに至っているとか。おそらくは動画配信に於けるコンテンツ土壌は極端に出来上がっていたにもかかわらず発信のノウハウがつかめなかった配信層が、Google傘下のYouTubeとそれらの検索網を経た情報によってその技術を獲得し、ニコニコ動画の衰退にあやかる形でYouTubeに進出していった形が現在の特需として確認される形となったようです。

SNSを介して多くの情報を網羅しているこの界隈は、その限りなく横に広い情報拡散網でもってその影響力を確保している都合、そこにはSNS特有の問題も潜んでおり、運営側を悩ませる問題として横たわっているとも聞き及んでいます。VTuberの歴史はまだまだ数年規模と浅いため、いわゆる「中の人の問題」なども含めいくつかの構造的欠陥に悩まされているという話。このわずか数年で活動を始めたVTuberは計り知れないほどの数がいると言われていますが、ひっそりと活動を中止したVTuberもかなりの数が存在すると言われており、その構造は「踏襲したテレビメディア構造と同様の問題を抱える」結果になってしまったとも言われてます。最大手といわれているVTuberもそれらの問題と戦っているとも言われ、表面化していないものも含めると相当数の問題と対峙しているものと思われます。また、彼らを嫌悪する無理解層からの攻撃もひとつの問題として提起事案にされていると聞きます。願わくばかつてのテレビメディアと同じ轍の失策に折れないで欲しいと願うばかりですが、まだまだ模索期間の最中のこの界隈はどう舵を取っていくのか。今後も注目していきたい次第です。

しかし、何故こんなにも動画配信が注目されるのか。その根底はやはり、先代たるテレビメディアが享受した「情報吸収の欲求」が有るのではないかと思う次第です。テレビメディアの時代と違うのは、ニッチコンテンツであっても容易かつ比較的開始を始めやすいという環境と、それらを検索してでも受診したいと願うニッチコンテンツ観測者とのマッチング環境が整ったことにあると思います。テレビメディア時代にはニッチコンテンツは奇異な目で見られた「見世物コンテンツ」だったのですが、昨今はそれらを好意的に検索して受信してくれる層とのコンタクトが取れる環境が揃ったことで配信ハードルが下がったことが大きいと思います。また、「仮想キャラクターを被る」ことで一定の個人情報保護に一役買っていることも、配信しやすさに買っている部分とも取れそうです。

「オタクは探求者」という仮説を立てるのであれば、これからYouTube界隈にも「ニッチコンテンツ群」は現れる可能性があります。昨今のゲーム配信などからレトロゲームへの情報検索は随分進んだと聞き、時代の温故知新の俯瞰者としては、これからのVTuberの活躍に否応が無しに期待をしてしまいます。テンプレに沿った片道切符的なコンテンツとは違うアプローチのコンテンツは、過渡期ではあるとはいえ彼らVTuberがその一端を確保しているのは間違いなく、彼らがどんな配信で視聴者を驚かせるのかという期待のチケットを片手に彼らの配信を閲覧することになりそうです。「テンプレにない面白さを見逃さないために」、私たちは眠い目をこすりつつ夜な夜な彼らの配信を見守ることになりそうです。

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