長文が読まれないという話

悲しい話ですが、かつてのようなテキストサイト形式のウェブページはもう「読んでもらえない」らしいという話が囁かれているようで…このサイトも存在意義を突きつけられるという事態が発生していたりします。そもそもチラシの裏程度のサイトにじっくり読んでもらうという概念は希薄なのですが、それでも昨今は著しい「テキスト離れ」が酷いらしく、140文字以上の文章を見ると拒絶反応を示す人がいるとかそうでないとかでちょっとしたネタになっているようです。社会人で事務仕事で140文字以上の文章が駄目っていったら致命的なんですが…昨今はテンプレのコピペという文明の利器で何となくそういう事態はかわせるらしく、ライティング業務に関しては「コピペチェック」なんてものの重要性が説かれる始末。昨今の会話不成立の現状を垣間見た気持ちになってションボリしています。

SNSでは昨今スタンプラリーのような会話が成立するという話を聞きましたし、各種トークツールでは自身もスタンプツールは結構使う方ですが…どんどん語彙力が低下し短絡的にしか会話が出来ないという事態はわりと憂慮しています。実際に語彙力不足で特大のクレーム処理を余儀なくされた経験なんてものがあったりするのでコミュ力は非常に重要視しているのですが、昨今の仕事現場ではコミュニケーション不成立という事態は定期的問題として発生しており…管理者一同を難儀させる問題として横たわっています。職人仕事は個人で黙々とできると思っていた時期がありましたが、仕事と名のつく行動はおおよそ対人業務無しには成立しない都合…昨今の現場崩壊は起こるべくして起こっている感が否めません。コミュニケーション大事、ちょお大事。

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上から下までが重度のコミュニケーション不足で、語彙力はおろか精神的余裕もなく何もかもが命令口調と圧力口調。こんな現場ばかりの昨今になんの仕事が円滑に出来るだろうかと悩んだ時期がありましたが…得てしてなにも解決した記憶がありませんでした。そんな現場事情を多く見てきた都合、「問題の本質は見えていても伝わらないんだな」っていう気持ちで仕事をする機会は相当増えました。伝えようと努力すると何故か喧嘩沙汰が発生し、始末書がやって来るという事態は何度か経験しました。いつぞやのタイムラインで「クソ現場祭り」なんてタグが流れてきましたが、クソ現場じゃない現場の方がレアリティ高すぎて…現代という不毛の時代に生まれたことを呪いたくなる事案となったのは言うまでもなく。

話せば解るレベルの問題を殴り合いで解決しようとする昨今の現場人事には今も悩む機会は多いですし、そもそも言葉選びどころか言葉を知らない人が多かったりするものでして…人事がさじを投げるというのは本当なんだなっていう酷い事案を何度も見てきました。その縮図はSNSの暴論ドッジボールでも充分垣間見えますし、そもそも彼らが会話の中の何文字くらいでそういう行動に踏み込むのか…というのもちょっと興味深いです。その上思い込みが酷かったり被害妄想がトンデモ級だったりするので、現代の人的問題はやはり言葉不足による人災なんだなって思ったりしました。昨今の会話にはおおよそ罵詈雑言の類が頻繁に使われており、言ってしまえば「喧嘩業務」といったところ。これで現場が円滑にまわると思っている上司や部下だらけだったら…まあ、惨劇が2～3件くらいは発生します。

それを考えると、日本語が流暢な日本人が次第に少数派になっている…と考えるべきなのかもしれません。語学の半分は交渉術でもあるのですが、交渉の言葉が出てこないし、出てきても伝わらないという事態…実は常態化した悪夢なのかもしれません。世界でも屈指の習得困難言語たる日本語ですが…実は日本人ですらも日本語習得率は低いのかもしれません。母国語が形骸化するというのはまったくもって笑えない話なのですが、私たちは自らの学習放棄によって人生のハードモードを強いられているわけで…これから対話困難による理不尽を超えた無理ゲー人生が待っているのかと思うと、どんな地獄が待っているのか…と戦慄します。

蔓延する貧困化が精神的余裕を奪い、教育の充実に手が回らなくなった社会は退廃する未来を歩む…日本がハリボテの先進国になる未来の材料は、実は結構整っていたりします。140文字の日本語も読めない･汲み取れないという人たちがワンサカいる社会のどこに先進性があるのかという話であり、対話思考の人たちを殴り倒すような時代の到来は…まあ予想の範疇という話でもあるという結論です。「社会がゴリラ化する」なんていうブラックジョークがあながち間違ってないという時代が…やって来るのでしょうか？　御免被りたいのですが…。

ツイッターももっと緩やかなコミュニケーション空間だと思っていた時期がありましたが、昨今はもっと殺伐とした空間に成り下がってしまったように思う次第です。気に入らないことに粘着し焚き付ける事案は毎日のように発生し、その原因が文章読解の齟齬という話は枚挙に暇がない話であり…日本人の言葉離れが著しいなんて事態が発生しないことを願うばかりです。