記録メディアに困る時代に

日記・雑記・私的話題

もう光学メディアは過去の遺物になったものと聞き及んでいますが、需要はゼロになったという話は聞かないあたりに色々と思うものがあります。しかし、DVDメディアを使う機会はもはや皆無に等しく、昨今は「DVDを焼く」という言葉に疑問符が浮かび上がるケースがあるくらいに光学メディアは忘れられた存在になってしまっているようです。ノートパソコンに当たり前のように搭載されていたスリムドライブも今は昔の話であり、昨今はDVD数十枚分のUSBフラッシュメモリーがお値段的にも手頃な価格帯で登場する時代。必然的にメディアは小型化と高利便性へとシフトしていくのは至極普通の話なのかと思う次第です。

ただ、そこには恩恵ばかりではないという話もまた存在するという話でもあり…大容量化しすぎたUSBメモリーは時に紛失やデータ盗難に遭いやすいというリスクも持ち合わせており、すべては一概に恩恵のままにはならないという話のようです。また、大容量化しすぎたのはHDDもそうであり、昨今は耐用期間の迫ったHDDの処分が密かに問題化しているという話もうかがう機会が増えました。かつてあれだけ記録データ量に困っていたという時代があった反面で、ここまで大容量化を遂げた記録メディアの「容量が故に困る機会が増える」という事態は…何の因果かなにかという話であり、昨今の「データの扱い方に困る機会」というのは本当に困るネタになったように思う次第です。

スポンサーリンク

記録メディアが大容量化を遂げることは末端ユーザーにとって恩恵ばかりが注目されるという話なのですが、法人企業やセキュリティ関連に於いての大容量化の恩恵は「処分手間の増大」でもあるという話であり、二律背反の悩ましい事案になっているという話らしいです。最近は企業が耐用期間切れのHDDの処分に困るという話は意外とよく聞く話になっており、HDDを如何にして再利用するかなどの話も話題になっているという話も聞きますし、うっかり個人が流用させて一大問題に発展するケースの話なんかもありで…データリテラシーについて考えさせられる機会にもなったとかそういう話も。実は記録メディアというものは意外と扱いにくいものであり、一世代前の光学メディア時代に於ける「焼き損じ」というコピー苦労の話が思い出されました。光学記録メディアを「焼く」と表現する由来は「レーザーでディスクを焼き付けることで記録しているから」という記録方式に由来しているのですが、それは今となっては余談の中の余談。

昨今は多様な記録メディアが登場し、とりわけフラッシュメモリーを利用した小型のUSBメモリーがその地位を獲得しつつあると聞きます。その過程の中で記録メディアは磁気ディスクで構成されるHDDメディアと、フラッシュメモリーで構成されるSSDメディアとの二分化が成されていますが、データストレージとして未だに磁気ディスクがその優位性を保持しており、昨今はテラバイトクラスの大容量を長時間安定稼働させる技術でもって記録メディア界隈を牽引していますその3.5インチの箱の中には一国の国家機密くらいの情報が記録できると言われるほどであり、それくらいにまでHDDの記録性能は向上していると言って良いわけですが…それはあまりにも記録性能が良すぎるが故に処分に困るという実情をはらんでいたりします。表面上でデータを削除したつもりでも「物理ディスク上にはデータが残っている」という構造上の問題なのですが、その基礎知識はパソコンの構造を知らない人々にとっては「謎の技術」のひとつという認識だったりします。

HDDのリユースやリサイクルに於いては所定のツールなどでもって「データの完全削除が必要」とされているのですが、それは一般的なパソコンユーザーの間では認知されていないものとして広まっているという話。もし記録メディアについて調べる機会があれば是非とも調べて欲しいのですが、「HDDのデータ救出は何故可能なのか」という理由がそのHDDの構造上の問題を逆手に取った「救出方法」であるという話を知ると…その理由が見えてくるかもしれません。何故磁気ディスクではデータ救出が可能でフラッシュメモリーではそれが困難なのかはその記録方式と読み取り方式に起因している話なのですが、世の中に「永久磁石」が存在するように「磁気的なデータは物理的破壊が無いと意外と生き残る」という材質特有の性質が「機密の欠片をサルベージする」という話であり、古いHDDの円盤を求めて暗躍する人々が一定数存在する理由でもあったりするという話です。

昨今のHDD事情だと、3.5インチの磁気盤1枚には最大で2テラバイトのデータが記録できる技術が一般レベルで使われているという話。ちなみに個人情報などのテキストデータ一人分の容量がフロッピーディスク一枚分である1メガバイトにも満たないという話なので、一国の個人情報くらいのテキストデータであれば一台のHDDに集約できてしまうと云う話であり…これを扱うリテラシーはどのくらい必要なのかという面倒くさい話にまで発展します。これを流出不能状態にするためにはデータ上のフォーマットではなく、理論上では「物理的に破壊する」しかないという話であり、最近話題になった一大流出劇というのが「記録用のHDDを個人売買などに横流しした」というリテラシー不備に起因する話ということで…昨今の記録メディアの恩恵が実は「無用なリスクをも保存してしまっている」という事実を突きつけられる話にまで発展しているとか。

ただでさえリテラシー不備に加えプライバシー保護問題をはらむデータ保持事情ですが、昨今は大容量化したストレージからテキスト情報以外にも色々な情報が漏れ出しているのではないかと指摘される時代になり、誰が撮ったとも知らない写真から個人情報が特定されたりする事案で恐怖する機会が増えたとかで…ストレージひとつに戦々恐々とする時代になったという話になりました。これに付随してネットワーク知識が必要になる機会というものが増えてくるのですが、記録メディアの構造上の問題認知以上にネットワーク構造の理解は難易度の高い問題でして…クラウドストレージからデータが漏れる可能性を指摘されると夜も眠れないくらいのリテラシーを求められること請け合いであり、それでいて私たちの持っているネットワーク技術系の知識レベルを調べられると…という現代のホラー話。多くの思い出を記録に残したいという気持ちの裏で無用のリスクが拡大するという謎の事態に恐怖する羽目になるという良くわからない技術の一大恩恵の時代、記録を残したければ学ばなければならないという面倒くさい話になってしまうのですが…記録のために私たちは「多大な労力を支払う義務を迫られている」のかもしれません「学ばなければ使うな」という話に帰結してしまうので…技術は誰のための恩恵だったのか、というヘンな話。

コメント

タイトルとURLをコピーしました