ジブン・メディアの展望と課題

日記・雑記・私的話題

他者のメディアに触れる機会がありいろいろなコンテンツを俯瞰する機会があったのですが、昨今のコンテンツメディアはブログメディアに触れて間もない頃に比べて随分とライトな方向に様変わりしたように思います。読みやすく・触れやすく・わかりやすくをモットーとした発信型コンテンツとして触れ込んでいったブログメディアは気がつけばコンテンツの保存場所としての機能に特化され、とりわけコンテンツのデータベース化に形を変えていったようにも見えるこれらブログメディアは紆余曲折を経てこうなったものと思われる次第ですが、その発端は「誰でも簡単、情報発信」のようなキャッチーなコンセプトに釣られた人々の興味本位にはじまり、それらが浸透し飽きられて色々な形でもって再構築を経てこうなったのではないかと考えている次第です。今となっては当たり前のように情報が羅列され発信されるこれらブログですが、その裏側には色々な思惑や目的感があり、おおよそそれらは自分勝手に規定され発信のベクトルに乗っていったものと推測されます。

紆余曲折にどういったエピソードがあったかは知る由もありませんが、情報発信というものが求められる課程に於いてこれらの発信機能やサービスは求められ、そして一定の時間を経て飽きられ、忘れられていくというのがこの界隈の一連の流れでした。ブログメディアはまだまだ求心力を持つコンテンツ形態として認知されているものの、昨今は動画および配信サービスにその訴求力を奪われたようにも見えますが、記録情報的な位置付けに於いてその影響力はまだまだ強く、それらはいわゆる「まとめサイト」などの形でもってその地位と機能性を誇示しているように思います。ただ、そこにどれほどの発信力や影響力があるかといえばそれは微々たるものであり、多くの個人ユーザーやライト層のユーザーはその影響力や訴求力の低下という事象に流され、飽きられてきた感の否めない状態になりつつあるといいます。「訴求力はあるがそこまで熱量を投じられない」というジレンマからこの界隈を離れる人は一定数おり、この界隈に於ける「熱量の維持」という問題がここに来て大きくピックアップされるようになりました。

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ブログ界隈を大きく牽引してきた要素のひとつに「マネタイズ」がありました、いわゆる「収益化ブログ」というものが注目された大きな理由に挙がっています。「ブログ飯」に起因するマネタイズ・ブログは個人の情報発信に付加価値を付与するという視点から注目されましたが、そのマネタイズにまつわる諸問題や根本たるマネタイズSEOなどの環境構築の難しさ、そして炎上などのネット環境特有の問題によって次第に忌避感が強まり、現在は多くのコンテンツがブログ以外の収益化を目指すようになりました。ここ数年でYouTubeなどの動画コンテンツの収益化モデルが注目されたこともあり、昨今は動画コンテンツに対してのコンテンツ収益化モデルが大きな注目株として熱量が高まっていると聞きます。動画コンテンツはスマホとの相性が良いということも相まって急激に普及し、昨今のYouTuberの潮流もあり劇的にその注目度が高まっています。

ブログがオワコン・メディアになってしまったかと言えばそういうわけではなく、引き続き検索エンジンなどに牽引される大きなコンテンツ群としての地位を維持しています。ここに来て何が変わったかと言えば「マネタイズに力尽きた『ブログ飯層の離脱』」がピックアップされており、特にマネタイズに依存しない純然な情報発信者たちには特に影響も訴求力低下も起こしていないという実情がありました。マネタイズの可能性に興味関心を持った「副業メディア層」に勝手に注目され、勝手に飽きられて捨てられてしまったといった方がしっくり来るかもしれません。マネタイズ層に見いだされ、翻弄されたブログメディアはそもそも「情報発信に特化したプラットフォーム」であり、そこに付加的にマネタイズ機能を投入してもそれは必ずしも相性が出るかわからないというものであったという話であり、結果として大多数の一見さんは腰を折られて放棄していったといったような話だったと聞いています。お金の影響力の強さと、それらを含めた上で訴求された社会情勢などを鑑みると、おおよそすべての元凶は平成に入って延々と続いた不況の時代であり、副業の収入をアテにしなければまともな経済事情に算入できないという現代のワーキングプア事情に絡んでくるという話なのですが…それはまた別のベクトルの話。

今のブログメディアをどんな人が継続しているかというと、いわゆる「純然情報発信者」であり「共感メディア」であるという話に帰結し、その根底にあるものは昔からバージョンアップこそされど特に変更があったわけでもないという話。趣味のエネルギーの強さや共感願望による燃焼性の高い情報発信行為、それに付随する共有のエネルギーなど、個人的願望ありきのマネタイズは引き続き強い影響力を持ち続けており、結果としていくつかのマネタイズに成功しているという話のようで、結果としてマネタイズの順序を間違えた層がことごとく年単位の更新エネルギーを切らしてしまったという結論に辿り着いたという話…趣味とマネーのバランスを勘違いしてしまったユーザーが巡り巡って自爆してしまったというのは何という話なのか。注目されているアルファブロガーと呼ばれる人々も年単位の更新は勿論のこと、昨今は動画配信などでもってブログの補完をしている人も増えてきたとかで、中途半端な熱量は何だかんだで駆逐されてしまうという現実を突きつけてしまったというのがまた趣味層にはイタい話でもあったりします。

これからのブログメディアは、より一層「自分色の色濃いオンリーワン・コンテンツ」が生き残っていくものと推測されます。共感の乏しいコンテンツに人は寄りつかず、ましてリピーターなんてものはもってのほかという話であり、人のいないところにマネタイズは無いという話でもあり。人と価値の流動こそがマネタイズの基幹部分であり、これらが噛み合った状態でぐるぐるまわる状態が出来ているブログが理想のマネタイズブログである…という話に帰結するようです。マネタイズのためにマネタイズ志向を放棄するというのはなかなか理解しにくい感覚なのですが、共感メディアたるブログに人を惹きつけるには共感の探求しか無く、共感への共感が巡り巡ってマネタイズに繋がるというメカニズムであり…今なおブログの更新エネルギーが続いているブログというのはおおよそ「純然たる好きのエネルギーで動いている」と言った状態なのかもしれません。その理想が夢中で出来るブログは生き残り、折れたブログは駆逐されてしまう昨今のブログ事情は…ある意味「求められるべくして求められたブログ社会の実情そのもの」なのかもしれません。

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