貯蓄と運用と将来不安の関係

時事・事象・社会現象

もう老後は資産運用でもしないと生きられないような経済事情になっているなんてことがまことしやかに囁かれるようになりましたが、実際問題として年金制度は破綻への道をひた走っており、収入源たる労働人口は目減りする一方であることに対して受給者になる老齢人口は増加の一途であり、もはや採算性という言葉が緩やかに意図して無視を決め込まれるというなかなかアレな事態が日本の現状だったりします。労働者に渋り続けた給与支払いがここに来てはっきり焦げ付き出すという事態はかなり前から予想はされていたものの、結果として企業の多くは社員給与を削り続けたという話は「予測可能・回避不可能の体現」をしっかりしたという話であり、これからどうやってその損失補填をしようかという話で持ちきりになっているとか。

資本主義社会が収入額をステータスとして扱うのであれば、社会を形成する企業はもっと社員に給与還元をするべきだったのではないかという話は悲喜こもごもを引き連れて色々と話のネタにされているようですが、節税の一環として企業の多くが設備投資などを選んでおり、自社の基幹労働力を軽視した結果が今の労働事情だったという話。格差是正にしろ格差容認にしろもっと積極的に人海戦術を使い、そこに発生する消費サイクルを活用できればもっと日本の国益水準も上がったのではないか…それはもう90年代くらいから囁かれてきた話ですが、結果としてそれは30年規模の周回遅れを発生させるに至り現在に至っているので、日本はこれから「先進的貧困国として再投資される機会にチャンスを託す」他に無いのかもしれません。それでもって、もっと人的価値はダンピングされるという話もありますが…。

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個人投資が密かに注目を浴びる背景には「企業のセコい経営戦略」が見え隠れしているという話はなかなかキツい話ですが、実際問題として社員数が切り詰められたうえに給与まで切り詰められた社員の数は計り知れないという現実問題がその実情を物語っているので…いかにして大胆にカネをばらまくかという策は意外と今になって再注目されるに至っているとか。もっとも日本にその気概を持った策士がどれほどいたかという話ですが、世の中には「社員投資したら株主にお叱りを受けた」という話も腐るほどあるので…まあ、実現することも無く現状のような長期不況に甘んじる選択肢しか無かったのかもしれません。そして、貯蓄を大事にしようとする日本の方向性を鑑みれば「投資には向いていない国民性」であることは容易に想像出来る話であり、昨今の高齢者向け投資案件がいかに胡散臭い案件かを知るきっかけにはなると思うのですが…当事者たる貯蓄高齢層がどう反応するかという話。

将来不安の話をしだしたらキリがないのですが、世の中には不安材料になる話題が本当に多く、それでいてそれに対する解決策の提示がまるで成されていないという実情がより個人から企業に至るまでの財布の紐を固くする理由になっているように思います。とりわけ超情報化社会となった昨今に於いて情報を集積・分析できない層は徹底してカモにされるという事案が発生するに至っており、社会投資を必要とする環境でありながら総合的に投資困難なサイクルを形成するに至っている現代はいわゆる「タンス預金の拡充」が一種の問題になっているという話。紙幣も物理的に腐るし価値も腐るというタンス預金が未だに増加傾向を辿っているあたりに「投資学の遅延ぶり」を感じさせますが、今でも投資の世界を胡散臭い世界と認識している層も多いという事実があったりするので一概にというわけにも行かないのですが…ただひとつ「カネは天下の回りもの」であり、実際に経済は個人と団体を循環することによって経済効果を発揮させる仕組みであるということはもっと認識されて欲しい事案のひとつでもあります。

21世紀初頭から始まったインターネット社会の襲来により社会はネットワーク化された仕組みへとシフトするものと思われたのですが、日本には未だに「ハンコ文化」が残っていたりとガラパゴスぶりを発揮するに至っており、世界中にその不思議な社会構造と投資下手な性分をさらけ出すに至っているとかそうでないとか。すべてが情報網に集約されることが利とされるかは不明とは言え、やって来る時代の変化を嫌悪し退けようとする人口比は未だに多いのが日本の現状であり、昨今急激に進むと言われたキャッシュレス化の潮流もまた「求めていた層にはあまり届いていない」現状を突きつけられている実情があります。それどころか、「マイナンバー制度の情報を外部企業に丸投げしていた」という逸話がその時代に対する反発ぶりをうかがわせる材料として持ち出されるほどに日本は情報化社会になることを拒んでいるようにも見えます

日本企業が国際企業戦線で敗戦一途を辿っている理由が未来に於ける投資先の見誤りであることはある意味明白であり、結果としてアジア諸国に生産開発のかなりを奪われたことを憂う機会になってしまいました。日本の技術面の精巧さは今なお世界的評価を得ているとはいえ、企業戦略に於いてその足並みは鈍重極まりないもので、もっと先鋭的に攻めた戦略と行動力があれば…と地団駄を踏む回数は増えたモノと思われます。最終的に内部留保以外のものをばらまいた結果、基幹労働力と基幹技術の何割かは海外流出する羽目になり、生産拠点の閉鎖は日本ブランドを海外委託するという舵取りに一役買う羽目になり…現在の長期不況を甘んじる日本の現状という今に至るわけですが。ここに何が不足したかといえば「企業運営の基礎変化への対応の遅れ」であり「時代変革への乗り損ね」であり、ひいては経営陣の経済俯瞰の失敗という話であり…古典でもある「カネは天下の回りもの」という言葉のニュアンスを汲み間違ったかという話。個人に投資を求めるというのは長期的に見れば「会社経営に一役買う」という話になるということであり、投資はカネの問題だけでは無くなるという話

平成という時代にあった「経営の変革期」を見誤ったことに気付くことも無く、気付いた勢も特に修正するわけでも無く…日本の生産能力はもはや自国の人口で賄えないほどに弱体化を許容してしまったという話であり、その片鱗は小売り業界やサービス業界で顕著になり始めてしまったという話。この時点ですでに国内経済の一部が海外に流出しているという話なので、日本という名の船は船底に穴の開いた状態という話。それも緊急を要する事態だという話なのですが…私たちはまだ四方八方から清貧と困窮を迫られるという話。それに対しての解決策の糸口は未だに知られておらず一部の人の「特秘事項」となっており、ちょっとした検索では解決に至らない現実がそこにあります。国は増税でその穴埋めをしようとしていますが、消費サイクルを殺してまでして埋められる穴なのかは甚だ疑問であり…私たちはどんな行動を起こせば良いのかとやきもきし続ける羽目になりそうです。

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