パンデミックが暴く

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コロナウィルスに端を発する世界規模のパンデミックによって、私たちは多くの脅威を可視化するに至ったのではないかと思う次第です。その脅威とはウィルスによる脅威も含まれているのですが、それ以上にこれまでに可視化されることのなかった「人間の闇の心理」がSNSを経由して拡散されるということで私たちは未曾有の心理的恐怖を身近に感じながら生活することを余儀なくされるという「もっとも身近な恐怖」に怯えることになったのではないかと思う次第です。見えないウィルスによって派生した負の感情は当該ウィルス以上に恐怖を降り注ぎ、これまで可視化されることのなかった人間の闇の部分を露呈するという事態を形成しつつあります。時間と労力を投じてウィルスの駆逐は叶う可能性がありますが、失った人的信用はワクチン開発につぎ込んだ労力以上の負担を強いる可能性が出てきました。本当のパンデミックは「ウィルスによる感染症の終息後」に発生し得るであろう「人的心理による二次災害」であり、それは経済戦争とも世界大戦とも表現され、本当のパンデミックはまだまだ拡大の可能性のほうが大きいとまで言われているとか何とか。

前世紀に世界を震撼させた感染症の再来と揶揄されるほどの混乱を招いたこのたびのコロナウィルスですが、その発生源と発生理由の追及が急がれていると聞きます。このウィルスは人的に形成されたものだという指摘から何かしらの意図でもって開発されたのではないかというものであり、それはある種の特殊兵器の一部としてもたらされたのではないかという憶測がおおよそ信憑性を帯びてきたという認識でもって世界規模で拡散されたというのが多くの認識になりつつあるという状況らしいですが。すべてはあるいくつかの仮説に基づいた憶測であり事実関係に関連付けるにはいまひとつ決定打を欠くものばかりなのですが、このいくつかの仮説の提言から導き出せるのは「人間の負の感情がもたらす希有な災厄」であり「今世紀最大規模の人災」という仮説、その根拠は「伏せられていた破壊衝動や残虐性」であり、世界ではこのウィルスに起因するヘイトや社会問題が噴出するに至っていると聞きます。コロナウィルスと人間の負の感情、どちらが今回のパンデミックなのか。

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SNSが多くの知られざる世界を可視化することに貢献したというのは過去にも触れた話題ですが、今回このパンデミックによって可視化された知られざる世界は間違いなく「人間の恐怖に起因する感情の世界」であり、それらは差別や抑圧・暴力の類を誘発する可燃物になっているようにも見えます。ヨーロッパ方面にてパンデミック宣言が出された時期にはアジア系の人々に対する差別的な事件などの情報もありましたし、このウィルスの起源とされている中国に対しての攻撃的事件の情報もありました。この混乱に乗じて中国は実質支配を図っているという情報も飛び交い、東南アジア方面では反中感情を煽る出来事も頻発傾向にあるという情報もあり、おおよそ私たちの疑心暗鬼はピークに達しつつあると思われます。また、国内生活に於いても経済や治安に対しての不安や不満にまつわる情報はSNSなどで多く共有され、私たちの人間不信は加速度的に増幅されたものと推測されます。ウィルスの感染によって相当数の死者が出たというのは事実ですが、それ以上に「人間不信による相当数以上の精神疾患者を計上したのではないか」という疑念は…ある意味この一連のパンデミックで確信に変わったかもしれません。

私たちの目には可視化されたものしか見えないが故に、多くの情報はその「疾患による肉体的な変化」しか見ることが出来ません。しかし、見えない部分で信仰してしまった精神的な変化は可視化された変化の数倍の勢いで変化を繰り返し、世界的規模でもって私たちの思考や観念を変えてしまいました。変化について事例を挙げればキリがありませんが、「ひとつの疑念が人間の思考や観念を瞬時に逆転させる」というのは今回のパンデミックによって明確化されたのではないかと考えています。社会的なものや経済的なものも大きな影響を受けましたが、私たちはそれらの影響以上に「信用情報に対しての疑念」が増幅されたのではないかと思う次第です。周辺にある情報メディアや情報発信媒体の何が信じられるものに相当するかという判断基準も大きく揺らぎ、これから与信に相当するものがなくなってしまう可能性も出てきたかもしれません。間違いなく言えるのは「絶対的な信用が崩壊した際に発生するものが『世界の災厄』に相当する」という話であり、多くの社会的バランスや経済的バランスが失われるようなことがあった場合に世界規模の災厄が発生し得るという話です。これも憶測ベースの仮説に過ぎませんが、私たちが盲信している「常識」が崩壊した場合、住みやすいといわれ続けてきた日本の治安もまた一変する可能性があるということを心に留めておく必要があると思う次第です。

このご時世に不安を煽るような記事になってしまいますが、多くのメディアが既に不安を煽り、根拠のないデマが流布し、平常心を失いつつある人々をのみ込んでいくという現実がある以上。私たちに出来る事は日々を衛生的に過ごし、いつも以上に健康に気を遣うことくらいしか出来ませんが。

多くの空想世界の物語で「未来の世界予想図」について作品越しに語り合ってきたと思うのですが、半世紀ほど前に語りづがれてきた「輝かしい文明世界」の青写真とは真反対の世界が、当時から起算して半世紀後の現在そこにあったりするのですが。私たち人類がどこで道を踏み違えてこの世界に辿り着いたのかは定かではありませんが、人間はおおよそ「忘れてしまう生命体」であると仮定するのであれば「災厄を忘れた世代が災厄を繰り返す」というのは可能性としては確率の高いものなのかもしれませんし、過去を知る世代を失った時間軸に到達してしまった世界に於いては「前世代の過ち」もまた「過去の遺物」になってしまうのかもしれません。はっきりと認識すべき部分としては「富も技術も人間性を豊かにするものではなかった」という話であり、経済的な豊かさを得るために人間性その他多くの心情的部分を犠牲にしたのではないかという話であり、2020年の現在にどれだけ「心身共に豊かな人々が存在するか」という問題提起についての回答をそろそろしっかりと準備する必要を迫られているという話かもしれません。

世界的に社会のアップデートを迫られている、まだまだ社会は20世紀型の資本主義経済社会で形成されている、などの色々な意見や提言もありますが。私たち人間の本質はおおよそ安定志向の頑固思考であり、半世紀くらいそれなりに安定してきたかつての資本主義経済社会の中でもう少しおとなしく過ごしていたいという欲求が強いものと思われます。このパンデミックによって社会は半強制的に変革を強いられるものと思われますが、その問題に対峙する前に解決するべき課題は「このパンデミックによって露呈した人間の闇と対峙すること」のほうが先決ではないかという話。いまここに展開されている大事件が過去の笑い話にされる日はいつか来るにしても、隣人の不信を乗り越えられる日は…半世紀先の話か、それ以上先の話か。既知の情報としては「人間の心は恨み節」であり、「○○の恨みは末代まで及ぶ」と言われる話なので…真のパンデミックの正体は、私たちの心の中で既に「培養が始まっている」可能性があるのかもしれません。

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