オタク趣味という名の勉学

文化・注目・有名現象

年二回のコミケシーズンになるといろいろな創作界隈の話を聞く機会に恵まれますが、昨今の創作界隈の話はおおよそ作家陣が病み上がるくらいの闇が見えるとか何とかで…めっきりいい話が減ったように思います。そもそも日本一広い空間を貸し切っても容積不足に悩むというような巨大イベントに変貌してしまったコミックマーケットの全参加者が優良なマナーマンかといえばそういうわけでは無く、年々厄介になっていく問題への取り組みに悩み続けるというジレンマを抱えた巨大趣味界隈の一大イベントは年々高くなっていく開催のハードルに当惑するばかりだとか。そもそもこのイベントの起源がどこにあってどういう経緯を経て今に至ったかを知る人は随分と減り、何となく「お祭り的なイベント」とくらいにしか認識されていないという実情がここに来てのしかかっている感があります。

そもそもオタク趣味という名で認識している趣味活動はおおよそ「探求行為という名の勉学」である事はもう少し知られても良いと思うし、探求のためにそのエネルギーを使用している事はもう少し認識されても良いのではないかと思います。世間一般のオタクというイメージがどういうモノかを知る由は無いですが、社会規律を守りながら嗜む趣味界隈のイベントであり、願わくばこれからも存続出来るイベントとして在り続けるためにもう少しだけ良識を持って欲しいとか…そういう話だったりします。もはや趣味の領域から逸脱するほどに巨大化してしまった趣味イベントは今や社会的な問題を含め多くの問題をはらむ社会現象になってしまい、否応無く社会規律を求められるようになった…その経緯や理由がどうであれ、私たちがこのイベントを愛し守り続けるためにも、私たちは日々この日に向けてのアップデートを続けなくてはならないのかなって思います。

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自身の知る限りでも「オタク趣味」と呼ばれる界隈は30年くらいの永きにわたって迫害され続けた分野であり、忌避や蔑称・差別的といった意味合いでこの言葉が使われてきた事を今でも憂うことになっています。メディアが呼称するオタク像というのはおおよそ「理解し難い不気味な存在」であり、今なお悪意や故意に晒されている界隈でもあります。彼らが昨今になって蔑視しながらも彼らを受け入れてきたのは、それらが無視出来ないほどに巨大化を遂げ「文字通りマーケット化を遂げた」イベントに対しての「金銭的価値」を見いだしたからであり…彼らは今なお私たちの愛した界隈と参加者を蔑称でもって呼び続けています。その背景には自浄作用の及ばない「受け入れがたい層」もいるのは確かであり、そこを攻撃されれば反論出来ない部分でもあるのですが…。

インターネット普及期を過ぎたあたりからSNS経由での参加者が増えたと云われており、「全員参加者」という認識から維持されてきたイベントに「お客様が紛れ込んできた」と揶揄されるようになったと聞きます。「お客様」ならまだしも「犯罪者が紛れ込んできた」という事態も実は過去に発生しており、常連参加者からは事態を憂慮する声も多く上がっていると云われています。私たちいち参加者が憂慮しているのは「ひとつの事案でイベントが消失する事への危惧」であり、これ以上の問題の浮上を未然に防ぐことでもあるのですが…「お客様人口」は引き続き増え続けており、あの巨大な逆三角形の会場を「砂の楼閣」にする日が来るのではないかとやきもきしていると聞きます。

SNSで作家からの怨嗟の声や事態を苦慮する発言も聞かれ、それはあの空間に参加するすべての人へと波及しつつあるともいわれています。少なくともカルチャーイベントでありながら知性の欠片もない参加者たちが乱痴気騒ぎをするイベントと錯覚され、ボランティアイベントでありながら時に税務の監査を受けてしまったり、あまつさえ交流イベントで在りながら事件沙汰になるようなイベントが発生したりする昨今のコミケ事情はかなり逼迫しており…100回開催という節目を前に頭痛のタネを量産するに至っています。それでも90回を数えるほどの長寿イベントであり、今となっては世界のカルチャーを牽引するにまで至ってしまったオタク界隈の総本山にして至上の大祭であり、そのエネルギーとマネーパワーは時に世界経済すらも脅威にさらすとかそういう事態になりつつあります。

だからこそ「文化は国境を越える」と思っていたし、それは「多くの苦難を越えるために昇華出来る」と思ってきましたが…昨今はどういうわけかそれらが機能しにくくなってきたという話をよく聞くようになりました。イベントの趣旨は「無学からでも始められるカルチャーイベント」でもあるのですが、昨今増えてきたのは「終始無学のまま参加するお祭りイベント」にすり替わってきたことであり「抵触しなければ何やっても良い」的な思考者の参加が顕著になってきたことで、それによる「共有知の消失」が非常に危惧されるようになりました。心構えの無い「お客様人口の増加」によって「周知されるべき事実が知られないまま参加する人が増える」という事態が巡り巡って重篤なトラブルを引き起こす事例が発生しており…イベントの存続に関する重大な問題として浮上してきたことです。オタクと呼ばれる人たちは「多様性について考える思慮深い人々」だと暗黙知されてきたのですが、昨今そのイメージすらも明確に薄れ始めたことで再び忌避と迫害に晒されるという事態が密かに増えてきているとかで危機感を募らせています。

多くの趣味参加者が「良識ある参加者である」というのが、この界隈でのある種の「暗黙の了解」だったのですが…それが崩壊しつつある。趣味界隈の広い範囲でこれらに起因する問題が拡大しつつあり、私たちの趣味生活が脅かされるという事態になりつつあります。私たちは「趣味の探求者として学びつつける事がこの界隈の理解のためにもなり得る」と信じてきましたが、可視化され約なった昨今は「一度の事案でひとつの世界が崩壊する」くらいの状況になってきました。ヤブヘビをつつき出したくてうずうずしている層は一定数おり、その類の「特ダネ」を探して虎視眈々とこの界隈を徘徊していると聞きます。彼らを強く意識する必要はないとはいえど、趣味界隈をこれからも嗜むためにも私たちは「不必要な苦労をしなくてはならない」日々は続きそうです。

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