バーチャルを支える現実社会の諸問題

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VTuberという一連のコンテンツ群がその市民権を獲得してかなりの時間が経ったように思いますが、バーチャルに関連したコンテンツ群を形成・参加する人々による諸問題がここに来ていくつか顕著化するに至っているという事案を観測しています。実際のところ、彼らバーチャルキャラクターを形成するために多くの人々の労力が投入されており、その枠組みに参加する人口も増加の一途を辿っており、そこに人と人との折衝問題は必然的に発生するというのは至極普通の理屈ではあるのですが、バーチャルを冠したキャラクターが現実世界の諸問題に侵食されるというのはどうにも認識の追いつかない部分があります。

バーチャルキャラクターが現実世界で訴訟沙汰に巻き込まれるというのはイマイチ良くわからない展開ではありますが、それだけ多くの人の手を介していながらもキャラクターは一人歩きをしてしまうという象徴的な事態なのかもしれません。そもそもこのコンテンツ群はどこに向かって進んでいるかはまだまだ未知数の世界でもあり、初音ミクあたりから模索され続けてきたバーチャルキャラクターやコンテンツの在り方はまだまだ発展途上の世界でもあります。ファンとしては彼らの形成するコンテンツを見守ることくらいしかできませんが、バーチャルな存在たちに「現実世界の訴訟沙汰も受け入れられるか」というと疑問符が残ってしまう次第です。

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YouTubeという舞台で繰り広げられるバーチャルキャラクターの宴コンテンツは日進月歩の勢いで増加を続けており、ひいてはニッポンのキャラクターコンテンツの文化形成に一役買ってしまった側面を持っています。その裏側ではキャラクター作成やいわゆる「魂」にあたる人、それらをマネジメントサイドで支える人々などを経てその「実態を形成している」状態になり、キャラクター部分は「コンテンツのハブ機能」として、中の人を含めたスタッフ部分は「運営機能」として機能しています。現実世界ではどんな世界観で構成されているかというと表現が難しいのですが、結局は「たくさんの人間」だったりします。華やかなコンテンツ群の裏側には普通にキャラクターを作るクリエイターが存在し、それらを演じる「魂」たる人が存在し、それらをサポートする多くの人的リソースが存在します。バーチャルという世界観を使ってはいますが、そこにあるのは一般的な社会の縮図とほぼ同じ世界であり、インターネット上に作られた「もうひとつの社会」であり、一般社会と同様に法的問題が存在したり収益化に係る諸問題や人的災害が存在したりなど、リアル社会と遜色ない社会事情が存在しています。見た目よりもずっと難儀かつ面倒な業務がつきまとう世界でもあり、体力や精神力以外にも社会的なリソースを多く要求される世界でもあります。

VTuberを形成する業務及び技術的リソース

VTuberとしての活動方針にもよるが、「配信リソース」として「配信場所の確保」や「機材の準備」などがあり、「人的業務」として「マネジメント業務」などがある。個人・企業によって方針は手段・方法などに違いはあるが、配信リソースとして「良好な通信環境」や「防音室などの環境設備」、人的業務には「スケジュール管理」以外にも「配信に係る著作権やコンプライアンスの確認」なども含まれる。収益化が背景に存在する場合は特に権利関係の把握がデリケートな問題になる。コラボ配信などに関しても、相手側の背景事情などを鑑みるなどの諸作業が伴うため、配信リソース以上に「事前準備の負担」は大きいものになる傾向がある。

それでも多くの人がコンテンツを作り、キャラクターを作ってこのコンテンツ群に参加を希望するというのは、YouTubeという舞台に咲いたジャパニーズドリームなのかもしれません。しかし、その夢の饗宴の裏側には常に人的・法的問題に苛まれる人たちが存在し、ネット特有のややこしい問題解決に奔走を強いられるという側面を持っています。時に法的問題・国際時事問題を抱えるVTuber事情ですが、YouTubeという「世界に接続している動画サイト」を経ての活動がそれらをややこしい事態へと導いているのかもしれません。世界は思っているよりも多様性に対して不寛容だということを、YouTubeのコンテンツやコメント群からも観測出来るという話。

国内でも不適切コンテンツの烙印からの訴訟沙汰があったり、中の人の中傷誹謗からの訴訟沙汰があったりと、これらバーチャルキャラクターのコンテンツでありながら現実社会で弁護士と裁判所を往来する機会が多いコンテンツも珍しいくらいですが、これからこれが国際問題に発展する可能性も出てきたとあって関係者はかなり緊張状態の中での運営を強いられているという話も聞きます。VTuberの発言ひとつで謝罪会見が発生するというのはまだゆるい部類なのかもしれません。世界という多様性が注目するコンテンツになればなるほど世界という不寛容からの洗礼を受ける羽目になるというのはなかなか皮肉な話ですが、そもそも「日本のローカルコンテンツ」というガバガバに寛容な世界線を「世界に向けて発信する」というのはそういうことなのかもしれません。不寛容への図星を突く部分になるか、はたまた日本の特殊性を世界にアピールする結果になるかは誰にも予測できませんが、これらコンテンツ群に対して拒絶反応を示す一定数の人からの宣戦布告はあり得るかもしれません。

海外勢の視聴による国際トラブルの問題

YouTubeという「世界に向けて解放された動画サイト」という性質上「多言語・多文化圏にも配信が及んでしまう」という問題があり、配信視聴サイドにある「思想や文化の違い」による中傷誹謗や攻撃的コメントなどのトラブル事例が発生している。思想や文化・価値観に起因する衝突によってアカウントの維持に問題が発生するケースもあり、VTuber界隈に於ける「越境問題」として認知されつつある。VTuber配信の国際化に伴い「国際問題の発生」が懸念事項として挙がるようになり、配信制限や遮断に至るケースや国際配信からの撤退などに繋がるケースもいくつかの事例が観測されている。

VTuberというキャラクターコンテンツが生み出した需要や人的エネルギーなどは確かに観測されましたが、それに対しての抵抗エネルギーのようなものも多数観測されました。VTuber界隈の出演者や関係者が謝罪会見を開く回数がどのくらいあったかは知らなくても良い事ではありますが、YouTubeというサイトの動画コンテンツが世界規模の影響力を持ってきたといえる昨今、二次元キャラクターを介したコンテンツ群がうっかり世界的影響力を持たないとも限らないわけで、実際にスパチャ(投げ銭)総額に於いて世界的に影響力を誇示したVTuber界隈は今後さらにその動向が注目されるコンテンツになり得るであろうという予測はされるものと思います。「日本の日常は世界の非常識」なんて揶揄もあったようですが、その日本発の非日常的なコンテンツが世界で猛威を振るうようになった昨今に於いて、VTuberは今後どんどん注目を浴びる存在になっていくものと思われる次第です。

「眠れぬライバーの中の人と、彼らに関わる多くのスタッフの頭痛のタネは増えるばかり」というオチを残して、饗宴は今日もYouTube上で繰り広げられるわけで。宴の先に何を見るかは視聴者ひとりひとりの判断に委ねられている感覚の問題ですが、全世界に向けて発信されるプラットフォームで配信をするということは「予期せぬもらい事故と隣り合わせ」という話であり、発言に対する責任や影響力への心配などのストレス要因を抱えながらその宴は行われているということを、少しでも心にとどめて於ければと思う次第です。

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